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一四零の庭苑 1巻 完結

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X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
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2021年12月の記事一覧

詩「走り出せ」

静かに燃える青白い色の炎を宿し揺らめかせる瞳 僕はその瞳の意味を知っているよ 君は此処しか居場所がないような顔をして居心地悪そうにしている ねえ、君 君の体は温まったかい 君の心は挑む力が溜まったかい その顔は準備が出来ている顔だ 走り出せ君 君が信じた道を この刹那に

詩「感謝」

気付きにくい感謝があり 自然と心から零れたような感謝があり し尽くせない思いを乗せた感謝があり 笑顔でありがとうが言えた日 涙でありがとうを伝えた日 感謝の意味を 感謝する心を 知らなければ伝えることも出来なかった こんな気持ちを知ることもなかった 感謝 それは大切な宝物

詩「生きてきた」

今日まで生きてきたね 辛かったかい 苦しかったかい 大丈夫、今生きているのだから 切なかった 悲しかった 君には生きた今があるんだ 楽しかった 嬉しかった 君の人生も捨てたもんじゃないだろう 幸せだったかい? 一歩一歩とここまで来たんだ 人生はまだまだ続く 生きよう

詩「負けないで」

負けないで! 君、負けないで! 私も負けないから 辛いんだ 苦しんだ 拳を強く握って声も出さずに我慢する 表情に出て唇を噛む 目頭が熱くなり涙を堪える 負けないで! 君、負けてなるもんかと踏ん張って 私も負けてなるもんかと頑張るからさ だから負けない 君、私も負けないんだ

詩「鳥よ羽ばたけ」

鳥よ羽ばたけ どうかその羽を大きく広げ羽ばたいてくれ 私の心がその様を真似て幻影の翼で羽ばたけるように 飛びたい 大きく飛びたいんだ 羽ばたきたい 悠々と羽ばたきたい 空を舞いたいんだ あの青い大空を私の心を全開にして 鳥よ 共に飛ぼう 私には成すべき羽ばき事がある

詩「心臓の音」

私の心臓の鼓動が聞こえる 胸に手を当てて呼吸をして更にその音を確かめる 私の命が終わるまでその鼓動を体内に響き渡らせる 私の心臓 泣いているの? 笑っているの? 喜怒哀楽が私を震わせている時も胸の中で打つ音 私と共に生涯ある音 癒やされる 私は生きている 私は生きていく

詩「戦ってきたね」

戦って戦って 戦ってきたね 戦って生きてきたね 私たちは今日まで戦って生きてきたね 命が私たちの中で輝いているね 頑張った 苦しかった 悲しかった 寂しかった そんな辛い思いもしてきた 時に嬉しかった 楽しかった どうしようもなく幸せだった だからさ、これからも生きる

詩「物語」

物語がある 世界中に沢山ある 私には特別な物語がある いつも触れていたい物語 登場人物に心酔してしまうほどの物語 いつの間にかこんなにも好きになってしまった物語 好きという言葉で足りているかしら 愛おしい物語 物語は物語でこれは作りもの それがどうした! 物語を心の糧に生きる

詩「悩みの重さ」

ねえ、君には悩みがあるかい 僕にはあるんだ。それも思いっきり大きなやつ 話してみろて? 今は話せないや……と僕は言った 僕は知っているから 僕にとって大きな悩みでも君にとったら小さな悩みかもしれない 君は笑い飛ばすかもしれない 話すのが怖いんだ 人の悩みの重さは違う

詩「初雪」

空から一粒雪が落ちて来た 見付けた嬉しさに「雪!」と燥ぐ そして次から次へと雪が降り出して、ブルッと身震いをした 庭から部屋の中に入り窓に張り付くようにして雪を眺める 窓辺が寒くなると毛布を持ち出し包まる 雪の白さにだろうか 口元がにやける 冬の厳しさの中に楽しみをひとつ

詩「ギフト」

皆、ギフトを貰って生まれて来るんだ 心に贈られたものあり 体に贈られたものあり それは時に才能とか恵みとかいわれることもあり いいかい? ギフトを貰わずに生まれて来る者は誰一人としていないんだよ 『そんなことはない!』 否、それに気付けるのは本人しかいないんだ 掴めよ君

詩「ホワイトクリスマス」

今朝、ちらほらと雪の子供のような白く小さなものが舞った 午後は暖かく予報の雪など期待できないと空を苦々しく見上げた 夕方になり粉雪が舞う 積もる予感 宵の口に雪はまだ積もっていない 夜更けにカーテンを勢いよく願いを込めて開ける 明日はホワイトクリスマス

詩「穏やかな冬の日」

朝一番に外に出ると冷たい空気が私の頬と鼻先に触れる感覚 日の光は柔らかく良い一日が始まろうとしている予感 穏やかな冬の日 日中に見上げれば灰色と水色の空 陽の少しの暖かさが心地良く 気が緩むと寒さに身がすくむ 夜に見上げる空の澄み渡る鮮やかさ 月と星に思いを馳せる

詩「苦しみ」

苦しみなんていらないと誰だって言う 胸の内で切に願うように思う 怒り 哀しみ 藻掻く 時に憎しみ いらぬ気持ちまで引き出して またその感情に押し流され足掻く 恍惚となる? 虚無となる? 間違ってもそこに辿り着いてはいけないよ そこへ行けば人として生きてはいけなくなる 越えろ