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強い組織文化を作る10RULES

こんにちは!今年4月にジェネシア・ベンチャーズに入社した黒崎です!

今回のnoteは「強い組織文化を作る10RULES」と称し、特にシード~アーリー期のスタートアップにおける組織作りの内容になっています。

前職のSansan株式会社に比較的アーリーステージでJOINし、7年間、組織が急拡大する中で様々な組織設計の課題・論点に当事者として関与してきましたが、その中での学びは、Mission-Drivenな組織設計/カルチャー設計は、高い基準の事業計画を達成し続ける上でのMust haveである点でした。

またジェネシアでの投資先の支援業務、及び同業VCの方々と議論をする中で組織設計・文化作りについて考えることが多く、今回はその一部のアウトプットをしてみたいと思います。なお、様々な会社の事例を引用していますが、10RULESの全体感は特定の会社の実例ではなく、私の今までの実務経験+外部情報をベースに取りまとめた内容となっております。


それでは以下が本編です。


① 言行一致する

自分たちの文化を自分が尊重できないようなら、誰にも自分を信じてもらえなくなる。この団の掟は俺の本心から出た掟だった。俺はその掟を信じていた。守り続けたいと思った。その気持ちが組織文化をいい方向に向かわせた(シャカ・サンゴール)

Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる

いきなりベストセラーからの引用から入るのですがw、アメリカの著名VCであるa16zの共同創業者、ベン・ホロウィッツの著作である『Who You Are』の中の言葉です。シャカ・サンゴールは19年間アメリカの刑務所に服役する中で所内文化を作り上げた元囚人として、事例が記載されています。

会社を作っていくプロセスの中で、Mission/Vision/Values=通称MVVや組織の方向性作りはどの経営者でも行うと思いますが、自分の等身大の思想や価値観を反映出来ないMVVやカルチャーを作るべきではないとのメッセージだと私は理解しています。CEOは言行一致が高いレベルで求められ、従業員は無意識的に経営陣を監視し、言行一致出来ていないシーンを目撃すると、彼らも遵守レベルを落としていくというのは想像できる事象ですよね。

② Missionを第一に表現する

グローバル企業であるJohnson&Johnsonグループでは、1943年に3代目の社長が作成した「我が信条」という理念規定がまとまっています。6代目社長のJames E. Burkeはこれを社員に語ることに業務の40%を費やしたそうです。

MVVへの想い、会社として大切にしたい価値をCEOがとにかく口に出す。何度も何度も語る。語るだけでなく、書く、図にする、物語を作る、絵にするなど様々な形で浸透していく努力を継続することに価値はあると思います。

最近の事例だとKAMINASHI社が自社のVisionを小説化して広めていくアプローチを発表し話題になりました。MVVを語る手法としてユニークですね。

③ 日常で触れられる物を用意する

仏教における仏像、キリスト教における十字架の様に、代表的なモニュメントが組織にもたらす役割は大きいかもしれません。企業のMVVや価値観を浸透させていく「物」を用意し、定期的にそれらに接触するイベントを用意することは一つの手法かと捉えています。

私の古巣のSansanでは「カタチカード」というMVVが記載されたカードをネックストラップに携帯し、朝会でそれを唱和するイベントがありました。一見昭和なアクションですが、MVVの浸透観点で同アクションを継続していたのはかなり意味のある行為だったと振り返って感じます。

Sansan株式会社 公式メディア「mimi」より画像引用

④ 採用プロセス→入社初日に注力する

既存メンバーと違い、新環境に飛び込んでくる新人は初日で会社の空気感、組織力学、重要事項などを肌で感じ、その体験をベースに会社内で行動していきます。初日のプログラム設計でカルチャーフィットの仕掛けを用意しておくことは効果的です。


 1. 新人向けのスターターキットを作り、読んでもらう。
 2. CEOの想いを手紙や記事にして発信する
 3. 社史をまとめ、すべての社員に入社時に渡す
 4. 新入社員と会社の理念について語り合う場を設ける

⑤ 魔法の瞬間を作る

自分達が提供しているサービスがいかに人の役に経っているかを実感できる瞬間を作り、日々の業務とミッションを繋げるという趣旨です。下記のワーク・ルールズ内ではGoogleの事例が触れられています。業務の単調さが原因でパフォーマンスが下降傾向にあったSMB企業向けの営業部隊に対し、同部隊の幹部がGoogleのサービスを通じて顧客が売上を20%伸ばせ、いかに喜んでいるかをまとめたビデオを作成し、メンバーを奮い立たせたそうです。

⑥ 外部との違いを作る

一般と異なる独自の特殊なルール/習慣/考え方を採用するのは、組織内部を固める効果を発揮します。例えばイスラム教徒は豚や酒をたしなむことをせず一見不自由にも見えますが、一般社会と異なる行為の実施を通じて自らのアイデンティティを実感し、信仰強化に繋がる側面もあるそうです。

シード~アーリー期のスタートアップは、創業しばらくは自分達が何者でもない状態が続くため、外部との違い=オリジナリティを作ることは社員の自己肯定感を上げることに繋がる文脈も認知しておくと良いかも知れません。

企業に応用した際、下記などがアクション例となります。

  • MVV策定時に強烈にオリジナリティを意識する

  • 独自の社内イベントを作る

  • 社内記念日を作る

  • 独自の社内制度を作る

  • 独自の社内用語、Slackスタンプを開発する

⑦ 時間を共にする

経営陣が自分が正しいと思う規範と同じ方向に組織を向けるには時間がかかります。1回言われただけで人は行動様式は変えられないので、組織文化は働きかけの積み重ねで生まれていくのではと思っています。出来るだけ社員と食事に行く、飲みに行く、イベントに行く、時にプライベートで時間を使う。時間を共にすることで生まれて来る価値はあると思っています。

⑧ オフィスを持つ

ディズニーランドに入場する瞬間、大人でもわくわくする気持ちがあるのではないでしょうか。空間の中と外で、日常と非日常とのスイッチの切り替えが無意識的に行われ、仕事や会社に所属している感覚に繋がる側面もあるのではないでしょうか。ディズニーランド程ワクワクしないでしょうが、日常と違うオフィスを設計することで、非日常を生み出す効果はありそうです。

⑨ 社内制度を作る

社内制度は社員のパフォーマンス向上と共に、コミュニティ帰属度を高めていきます。家賃補助、シッター補助、特殊な勤務形態の実現、書籍購入、社内部活動等、これらの制度の活用度合いが深まると社員の会社への帰属意識の高まりに繋がっていきます。また一般的な冠婚葬祭、特に社員の祝い事は全員できちんと祝うことなどもコミュニティを作っていく上で大切です。

⑩ 新卒を採用する

最後に新卒採用です。シード~アーリー期で新卒採用を開始するのは勇気がいる意思決定ですが、新卒は0ベースで社会人経験が始まるので、これまで作ってきた文化や組織規範を素直に吸収し、数年経つと会社文化の体現者になっていく可能性が高いです。

かつ中途のプロ社員は年収観点で採用する難易度は高いですが、気概のある新卒社員を採用するハードルはそれに比べると低く、数年たった段階で中途社員のパフォーマンスを抜いていくエースを何人も見てきました。事業成長観点でも新卒採用を検討するのは良い手であると個人的に感じます。


いかがでしたでしょうか?今後も定期的に発信をしてきますので、よろしければこちらよりTwitterフォローお願い出来ればと思います。


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