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遂に、中国が首位かと感慨深いものがあるけど、日本の凋落は止まらず

このニュースはずっとウォッチしているのですが、この日が来たかというのが私の感想ですね。そして、依然として日本は浮上は出来ないようです…

もちろんというか、データソースとしては、前職クラリベイト・アナリティクスのWeb of Scienceを使っています。

自然科学分野の論文の注目度の高さを示す指標で中国が初めて世界一になったとする報告書を、文部科学省の研究所が10日公表した。影響力などを示す引用の回数が上位10%に入る「注目論文」の数で、初めて米国を抜き1位になり、材料科学や化学、工学など分野別にみても8分野中5分野で首位にたった。学術研究競争では中国が米国に肩を並べようとしており、研究開発力や産業競争力の逆転も現実味を帯びてきている。

この記事は、NISTEP(科学技術・学術政策研究所)の「科学技術指標2021(調査資料-311)」及び「科学研究のベンチマーキング2021(調査資料-312)」の結果公表に基づいています。詳細は下記サイトをご覧ください。

毎回、暗くなってしまいますね本当に。これって、政策の失敗だと思うんですよね。

かなりがっつりと研究費という投資を絞った結果、研究分野の広さと深さを失い、研究者ポストの減少と研究者人口の減少、そして研究者を目指す人の減少が同時に起こり、日本を支えるはずの研究を効率よく凋落させることに成功しています。

それが様々な統計値で確認されるようになり、これを立て直すには時間が大いに掛かると思います…

先の日経記事が2021年8月10日付けだったのですが、この記事は2021年8月30日付けの日経記事です。NISTEPの報告書をもう少し読み解いたような内容となっています。

「科学技術立国」を掲げる日本の国際的な存在感が低下している。文部科学省の研究所が8月上旬にまとめた報告書では、科学論文の影響力や評価を示す指標でインドに抜かれて世界10位に落ちた。世界3位の研究開発費や研究者数も伸び悩んでおり、長期化する研究開発の低迷に歯止めがかからない。

論調としては、変えようもなく日本の存在感が低くなり続けていることの確認になっています…

この記事の文末には、こうあります。

政府は3月に閣議決定した「第6期科学技術・イノベーション基本計画」で、博士課程人材への財政支援の拡充大学の経営基盤強化若手研究者の支援などに向けて10兆円規模のファンドを立ち上げる方針を掲げた。実効性が問われる。

こうした動きがありますが、この動きの実効性が問われるとありますが、これはお金だけが必要なわけではなく、この危機感をしっかりと持ちながら、立て直す実行部分が本当に大切だと思っています。


このままでいいと思わないのであれば、手を打っていかないといけません。手を打たないのであれば、このまま凋落の一途を辿るという道しか残されいないです。

2年半前に書いた以下のnoteでも書いています。

「正解の対策はないのでやれることを片っ端から進めるしかないと強く思います。かなり多岐にわたる改革が必要だと思いますが、時間をかけないでどんどんやってほしいです。なぜなら、すでに多くの指標が右肩下がりになっているので、もう時間的な余裕がないからです。」

その時からさらに悪化しているわけですが、当時から以下の課題が指摘されています。

1)優秀な若手が研究者を目指さないという点
2)新分野への挑戦が日本は少ないという点

すでに論文の質(多く被引用される論文を指します)の低下が問題となっていて、この質を上げるための課題として上記2点が挙げられていました。

最初の日経新聞でもこの点が紹介されています。

科学論文の量や質を左右するのは資金力だけではない。中国が量と質をともに高めている背景には、圧倒的な研究人材の厚さと伸びがある。世界一を誇る研究者数を年々増やしている。一方、中国・米国に続いて3位の日本は横ばい水準で伸び悩む

長期戦略がないと、ますます置いて行かれる状況なんです、本当に。。。

長期化する研究力低下に歯止めをかけるのに「特効薬」はなく、衰退を食い止めるのは難しい。

日経記事でも上記のように書いているのは、本質を付いていると思います。長期的視野に立って、継続的な施策が大切なのは3年前も今も同じです。


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この記事を読んでいただいたみなさまへ 本当にありがとうございます! 感想とか教えて貰えると嬉しいです(^-^)