「知っておきたいあの話vol.5」を終えて〜日本の薬価制度の基本のキ〜
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

「知っておきたいあの話vol.5」を終えて〜日本の薬価制度の基本のキ〜

隣のアノ人ってどんな仕事をしているの?という素朴な疑問から始まったこの企画。急遽一人開催になったものの、無事5回目の開催も終えることができました。

今回は30席が数時間で満席となり、2度の増席で45名の申し込みがあり、当日参加者が43名とかなり高い参加率でした。

参加して下さって本当にありがたかったです。

<登壇者のご紹介>
薬学系大学院を修了したのちCROに勤務するかたわら、大学院で公衆衛生を学んでいるAdeyuさんに、薬価制度及びその改革の動向等についてお話頂きました。

今回の演題は、「日本の薬価制度の基本の「キ」でした!

今回のイベント概要は以下のイベントサイトに詳しくありますので、ご覧になって貰えると嬉しいです!

Adeyuさんを知ったのは、通りすがりのTwitterのTLでお見掛けしたのがきっかけでこの第五回が開催されることになったとても稀有なパターン。

詳しい成り行きは以下のnoteに書いてあるので、ご興味がある方は是非読んでみて下さい。とにかく、超偶然でしたね。。。

さて、今回の最大の学びといったら、日本の薬価制度の現状、課題、そしてその制度改革について俯瞰することができた点が相当でかいです。ある意味、薬価制度全体の地図を手に入れたようなもので、今後はこの地図を見ながら色々足りない部分を効率良く学ぶことが可能となりそうです!我ながら、基本のキをしることの威力を再認識した日となりました。

ここからは私のためのメモになりますので、ご興味があればご覧ください。

キャプチャ

今回参加された方のおおよその属性は上記のようになっています。薬価の影響をもろに受ける製薬企業と製薬関連企業で約6割がマジョリティでした。

今回の講演は、以下の流れで理路整然としっかりとまとまった内容で、しかもイケボで進められました笑

画像2

歴史の中でやはり目を引いたのは、診療報酬改定において薬価が引き下げられ続けている(上がったためしなし)という点でしょうか。

これに関して最近のトピックとして以下のニュースが希望かもしれません。

「日本の創薬力に期待しておきながら、その一方で毎年薬価を下げるというやり方には整合性がない。現行では、社会保障の足りない費用を全て薬が背負っており、薬に関わっている人々が辛い思いをしている」

と明言されている点はかなり注目に値することだと思っています。

現行の薬価制度において、印象深いのは中医協の総会名簿の下記スライドで、代表区分が保険者、医療者、公益、専門委員と産業サイドの意見は反映されずらい構成になっている点です。最近は専門委員に製薬企業の方が入る場合もあるらしいですが、全体のおける数はとても少ないのが現状です。

画像3

それ以外には薬価算定方法などの分かり易い説明がありました。

薬価制度改革においては、以下のスライドが秀逸でした。現行制度の問題点がかなり分かり易くまとまっているからです。

画像4

この課題に対して、薬価制度改革が進められています。その一つが費用対効果評価制度の導入になります。詳しくはスライドを見て頂きたいのですが、医療技術評価HTAという言葉はキーワードとなります。

日本では、国立保健医療科学院保険医療経済評価研究センター(通称C2H)が費用対効果を検討する機関になります。

このほかにも色々な内容があるものの、ここには書ききれないので私の印象に深く残ったものだけをメモしておきました。

講演中に参加者の皆さんからは、以下のような質問があり、それについてのQAもありました。

・中医協の委員の中で、売り手(製薬業界)寄りの方はほとんどいない、という理解で良いのでしょうか?
・不服意見書はどの程度提出されるものなのでしょうか。
・類似薬の定義は?
・費用対効果の元となるQALYデータは何が利用されるのでしょうか?
・費用対効果評価に基づく薬価調整は、すべての適応症・疾病に馴染むものなのでしょうか?
・C2Hが新設されたメリットは費用対効果評価を実施する分析方法が明確になったことなのでしょうか。
・海外の薬価と比較して薬価が調整されているとのことでしたが、実際日本の薬価は海外と比べてどれくらい乖離しているのでしょうか?
・日本において、最近導入されたHTAについて詳しい人材はどのくらいいるんでしょうか?
・抗アレルギー薬や湿布の保険外し(選定療養化)についてご意見伺いたいです
など


今回の講演資料はAdeyuさんが頒布資料を預かっています。代行して、SlideShareにて公開しております。以下のリンクよりご覧いただけますし、ダウンロードも可能となっておりますのでご活用下さい。

https://www.slideshare.net/MunehisaKurosaka/vol5-246753995

また、発表を録画しておりますので、以下のフォームよりお申込頂けますとご覧になれますので、ご活用下さい。


これから色々なニュースなどに触れても、今まで以上に吸収し易い下地をAdeyuさんに作って頂けたと感謝しております。

ご登壇ありがとうございました!


#知っておきたいあの話 #黒坂図書館 #日本の薬価制度 #歴史 #現状 #制度改革 #医療政策 #医療経済 #基本のキ

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
黒坂宗久(黒坂図書館 館長)

この記事を読んでいただいたみなさまへ 本当にありがとうございます! 感想とか教えて貰えると嬉しいです(^-^)

また、来て下さいね。
74年神奈川生まれ。子供時代に科学雑誌「Newton」を読み、宇宙飛行士を志すが落選。日米で免疫学を研究、製薬企業5年、トムソン・ロイターで5年勤務。現在は製薬会社にデータを提供する仕事。製薬関連やSci/Tech、仕事、日々の思い、社外活動などを発信。