見出し画像

「連載」ツーピース:チームすー。地球一周大冒険(29)

さてさて、今回は、誰をネタに書こうかな。前回は、おだてなくてもどこまでも木に登りつづけ、無視しようとしても目に入ってしまうサルをご紹介したので、今回は対局の、チームいち、存在感のない、いや、敢えて、気配を消している”塾長”に焦点をあててみようではないか。

ニックネーム”塾長”、まず、何故、塾長なのか?

それは、彼は、アメリカで、トレイルランニングを始めた日本人初期ランナーで、当時(10年以上前)、「トレイルって何?」というレベルの黒リス達に、変な事を教えた人物である。変な事とは、

”ヘッドランプをつければ、一晩中、山の中、走れるよ。”とか、

”50マイル(=80キロ)走れたら、100マイル(=160キロ)も走れるよ。だって、50メートル走れたら、100メートルも走れるでしょ。”とかである。

それを聞いて、素直に従って、そんなレースに出始めたのが運の月。イノシシも黒リスも、そして、黒リスの相方も、気が付けば、塾生となっていたのであ~る。

因みに、塾長は塾長という看板を背負っているだけあって、独自の目標を掲げ、達成し続けている。

例えば、10年に一度サブスリーをする、というものがある。40代で初サブスリー後、サブスリーを封印し(そんな人、いる?)、10年後の50代で再び、サブスリーに挑戦し達成。ハレー彗星的サブスリーと名付けたい程、滅多に見れない価値の高い走りをするのが、塾長である。(次は60代、歳と取るにつれ、目標達成が厳しくという究極ぶり。)

得意技は、出し抜き、そして、駄洒落で、周りの空気を一瞬で氷結させる事である。流石、忍者の末裔。

学生時代は吹奏楽部で第三トランぺッター。プ、プ、プ、と何度か音を入れるだけという、一番楽なパートを確保するとは、流石、若い時から抜け目がない。

だが、そんなつかみどころのない塾長にも、弱点がある。

妻、ニックネーム(鬼)監督である。

(鬼)監督は、アメリカ日本人ランナー界では、その存在を知らぬものはいないスーパークルー(ランナーのサポート役)である。色白で清楚なルックスからは、”鬼”は、全く、感じる事は出来ないので、塾長から、最初、(鬼)監督の話を聞いても、いつもの大げさな冗談だとしか思わない人がほとんどである。しかし、一度、レースをご一緒すれば、一目瞭然。ちなみに、黒リスイチオシの背筋が凍るエピソードがこちら。

100マイルレースの50マイルぐらいで、高山病でふらふら、命からがら、関門ぎりぎりでエイドステーションに飛び込んで、地面に伸びている塾長に、「スタッフさんが、すぐ出たら、関門アウトにしないって言ってくれているんだから、早く、立ってっ!!」と、泣きながら、身体を揺らし続けたという話。もちろん、塾長は死んだふりをし続けた。そうじゃないと、殺されると思ったそうだ。

そして、その時の、塾長の不甲斐なさを今でも腹立たしく思い、震えてくる、とまで言う妻、これぞ(鬼)監督。そう、塾長が、常に挑戦し、目標達成できる陰には、(鬼)監督ありなのだ!!

合掌。(塾長の十八番)

※カバー写真は、塾長のハードロック100マイルゴールシーン。

スクリーンショット 2020-10-27 16.10.56

チームすー。ジャパン:現在走行距離3,394.98キロ(2,121,86マイル)   現在149チーム中39位。サル:個人順位1368人中2位に浮上⤴︎


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?