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エッセイ:ぜんぶ

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愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。
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2023年7月の記事一覧

あなたの日常は私の非日常

最近、お気に入りのブログがある。 鹿児島の離島に暮らす妙齢の女性の島日記である。 日々の暮らしの出来事を、彼女目線でサラリと綴っている。彼女曰く、”何の変わり映えのしない日常”らしいが、私にとっては非日常に感じる。 その彼女に、そんな気持ちをコメントしたら、 「パスポートもない私にとって黒リスさんこそ非日常です。 セントラルパークを走るなんて映画の世界。」とのご返信を頂いた。 なるほど、自分の日常は他人にとっては非日常で、他人の日常は私にとっては非日常なんだなぁ。 だ

自分もまた戻る

つい先日、ランニングシューズの変貌・進化の話を書いた。 ランニングシューズの変化に合わせ、自分もそのシューズを履きこなせる肉体に変化させないとね、って内容だったが、老化していく年代がそれをやって大丈夫かね?って気持ちが湧いた。 スピードの出るシューズの特性を活かせる身体、脚作りって言っても、それをやっている最中に怪我しそうでもあるお年頃。 うーん、そもそも、なんでそんなに速く走れると嬉しいのだ? 昔からその疑問があるが、はっきりとした答えが未だ謎だ。 人それぞれだと思う

そんなに急いでどこへ行く

「最近の若い子の歌、さっぱり、何を言っているのか聞き取れないのよ。」 先日、日本に住む老母84歳とビデオチャットをやっていた時の会話だ。 「お母さん、昔から早口で喋る人の会話についていけなかったもんね。」 「年を取ると、ピックできる音が狭まるらしいから、聞き取れなくても普通かもよ。」 なーんて、その時は、さらっと応えたのだが、、、後で思い返し、確かに、最近の曲は、昭和の曲に比べ、リズムもテンポも高速だなぁ、と改めて思うのである。 また、前奏もほぼなく、いきなり、サビって

厚底から薄底へ、そして厚底へと時代は巡る。

「よくそんな鉄下駄みたいなシューズ履いてんな。」 2011年3月にハーフマラソンを確か1時間40分をギリギリ切った後に、ラン友に言われたセリフ。その頃、履いていたのは、NIKEの初心者用ペガサスだったと思う。 2008年春から会社の同僚達にそそのかされて走り始めたけれど、正直、お金をかけてまでやりたい趣味じゃないし、まぁ、最低、ランニングシューズさえあれば出来るスポーツという認識だったので、当然、シューズは1足しか持っておらず、練習もレースもそれを履き、流石に1年に一回ぐ

がんになって変わったこと

がんになって、変わったこと。 一番は、死にたくなくなったこと。 何かと言うと、”あー、死んだほうがマシ”とか、”長生きなんてしたくない。”とか、生に対して執着がない自分がいた。(それは勘違いだったとも言えるけど) だけど、がんになって初めて、”死にたくない。”と死への恐怖を感じた。 それと同時に、自分がいかに恵まれていて、美しい世界に生きているかも悟った気がする。だから、死にたくないんだと思った。 今、目の前にあるもので十分。今、目の前に広がる世界が完璧。 そう思える自

獣医さんの苦悩と飼い主のエゴ、そして、ペットの幸せ

獣医師の自殺率が高いのをご存知でしょうか? アメリカの統計では、他の職業の4倍だそうです。 先日、私の友人でもあり、私の歴代のわんこの主治医でもある獣医師さんが、この記事↓をSNSでシェアしていました。 獣医師の苦悩が痛いほど伝わってくる内容でした。 そして、その苦悩のほとんどは、対動物ではなく、対人間(飼い主)だということに愕然としました。 Deep Lに翻訳した文章はこちら↓ 思い当たる人、多いんじゃないかなぁ、と思い当たる自分が思いました。 ただ、言い訳かもし