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エッセイ:ぜんぶ

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愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。
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2021年8月の記事一覧

私と保護犬くるみの物語:くるみ①”はじめましてのあたち”

ハロー!あたちの名前は”くるみ”。 ママちゃんとパパちゃんが、あたちの身体の毛が胡桃色だし、音が可愛いからとつけてくれたの。結構、気に入っているから、呼ばれると、嬉しくってぴょんぴょん跳ねながらすぐに行っちゃう。行くと、オヤツも貰えるしね。 生まれた日はよく分からない。 ママのおっぱいからミルクを飲んだ記憶も曖昧。気がつけば、あたちは、テネシーのキルシェルターって所にいて、そこでレスキュー団体に発見され、保護されて獣医さんのところに連れて行かれたの。獣医さんの見立てでは

競争が好きな人、競争の意味が分からない人

昔から駆けっこが苦手だった。いや、厳密に言えば、”徒競走”が苦手だったと言った方が正しい。なぜなら、自分が走りたい瞬間に走るのが嫌いな子供なんて存在しないだろうから。 つまり、徒競走と言う他人と競うレースというものがどうも苦手だったのだ。というか、”他人と競う意味が分からない”のだ。そこで、勝ったとか、負けたとか、何の意味があるのかさっぱり理解できない子供だったのだ。 1位でゴールすると、”スゴイね〜!”と周りが褒め、ビリだと残念というか、”劣っている”みたいな感じに思わ

新米フォスター奮闘記6:「ブリン」③

さてさて、ブリンが着て3日目の月曜日。 昨夜、新人(相方)が廃人から少し生気を取り戻し、ブリンのケージに入室。そこで、ブリンにおもちゃで一緒に遊ぶ(=挨拶)をやって、漸く、ブリンも溜飲を下げたようだ。 もちろん、まだまだ、要求吠えはするけれど、ずっとマシになった。これも2週間もすれば、”諦める”を少しは覚えるだろう。 ”諦めた方がお得”を覚えられるかどうかが、犬の人生(犬生)を大きく左右するんじゃないかなぁ、とも思っている。そして、それを上手に教えて上げられるかどうかは

新米フォスター奮闘記6:「ブリン」➁

『犬のキャンキャンは辛いですよね。だから、最初しばらくは無視してグッと耐える事ができるように自分を持っていくように心がけるようにしなきゃ(耳栓でも使って)と思います。』 私が尊敬するフィラデルフィア在住の里親フォスター大先輩のMegさんからのアドバイス。そう、フォスター2日目にてブリンの要求吠えが酷くなっている。ケージに入れて、離れるとずっと吠え続ける。昨日は10分ぐらいで諦めるたのに、今日はずーっと。無視するのが躾のテクニックなのだが、その無視が中々大変なのだ。前回フォス

新米フォスター奮闘記6:「ブリン」①

黒ごま・きな粉・マライアとフォスターボランティアを経験して、つくづく認識した。 これからもフォスターボランティアをやり続けるには、自分にアンカー(錨)となるワンコが必要だということ。 アンカーになる仔がいて、その仔と一緒に生きる。そして、フォスターが必要な仔を受け入れ、フォーエバーホームに笑顔で送り出す。 それが私の理想の形。 ここ1ヶ月、その仔との出会いを求めていた。 毎日、アダプションサイトをチェックし、自分たちの生活に合いそうな、「飼いたいわんこ」ではなく「飼

新米フォスター奮闘記3:マライア⑥

今日、一番の出来事。 マライアのフォーエバーホームが決まったこと!!ずっとずっとマライアのその後が気になって、ほぼ毎日、セカンドチャンスレスキューの譲渡サイトをストーカーの様にチェックしていた。 ”そこから消えた=フォーエバー先が見つかった” となるはずだから。 そして、数日前、マライアの姿がサイトから消えた。 ああ、遂に見つかったんだ。良かった、良かったと胸を撫で下ろした。それ以上の情報なんて望んでいなかった。 だけど、今日、フェイスブックのセカンドチャンスレス

ところで私、もう、歳ですか?

子供の頃から不思議に感じていたことがある。 年齢の感覚である。 私には2歳上の兄がいて、幼児の頃、それはそれは頼りになると思っており、いつも後ろをついて歩いていた。 母親なんて、神様ぐらい完璧だとすら思っていたと思う。 恐ろしい勘違いである。 その頃、兄は小学生で、母は20代〜30代前半。頼りになるわけないし、完璧であるわけない。なのに、幼児・子供の私は疑うことなく、そう信じていた。 小学校に入学した時、小学6先生がすごいおにいさん・おねえさんに見え、中学生になっ

袖触り合うも多生の縁@コロラドの旅

相方とコロラドの旅に10日間程行ってきた。 相方本人の一番の目的のウルトラトレイル100マイルレースは残念な結果で終わったが、まぁ、本来、高山と灼熱に弱い体質の彼が無事に戻ってきたとすればそれはそれで良い結果である。また、そのお陰で、残りの旅が満喫出来たのも、これまた事実。 鉄道オタクばりに、ディーゼルと蒸気機関車にも乗ったし、標高2500メートルの湖でカヌーも漕いだ。その翌日には、標高3000メートルがスタート地点のトレイルヘッドから、800メートルを結構な急登で登り、

あなたひとりがやったところで

「何も変わらないよ。」 と、言われることがある。 環境問題も動物保護も、はたまた日本の少子高齢化問題や学校のいじめ問題、若者の自殺増加問題、新型コロナ対策などなど、「わたし一人が真剣に考え、行動しても、何も変わらない。」のかもしれない。 でも、「わたし一人ぐらいやらなくても大丈夫だよね。」「誰かがやってくれたら良いよね。」精神でみんなが生きていたら、絶対、社会や世界は良い方向には進むことはないよね。 知らない誰かに期待するなら、自分だけでもやった方が良い。 だって、

新米フォスター奮闘記5:「キルシェルターの現実」

猛省から間も無くひと月。頭の中は、常にわんこの事でいっぱいだ。 ほぼ毎日、フェイスブックのレスキュー団体からの投稿を見てしまうのも大きい。このSecond Chance Rescue(「2度目のチャンス」という名前のレスキュー団体。非常に意味深い。)は、シビアなケースの仔達へのサポートを沢山扱っており、NYCのキルシェルターに入っていて、”もう明日の正午までに誰かフォスターかアダプトしてくれないと安楽死させられちゃうよ。誰かこの仔を救って。”、という投稿がよくアップされる。