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【オリジナルを創るには?】古いものを知ることが大事というお話

おつかれさまです。今月、「進撃の巨人」と「呪術廻戦」と「約束のネバーランド」を一気見したくろちゃんだ。アニメを見始めると時間がいくらあっても足りない。別れるのが辛いが、とりあえず、アマゾンプライムは解約することとする。

今日は、みんな大好き日本のアニメを手始めとして、新しいものをつくるために必要なことを考察していきたいと思う。

※註 表紙の写真はくろちゃんが学生時代に描いた汚いスタディ(スタディとは検討のこと)

1. 何がオリジナルで、何がコピーかを考える

新しいものをつくるためには、まず最初に他者がつくった作品をよ~く観察することから始まる。

新しいアニメを見た時に、「これはオリジナルだな~」とか、「これはあの作品に似ているな~」とか思うことは、アニメをたくさんみてきた僕たちなら、よくあることだと思う。

例えば、ドラゴンボールは「気」、ナルトは「チャクラ」、ハンターハンターは「念」、呪術廻戦は「呪力」といった感じ。登場人物たちは、これらの力をベースにしながら、独自の技を高めていく。強敵との戦闘と修行を繰り返すにつれて、最初は弱いがどんどん強くなる。時には、挫折なんかもするが、仲間に支えられながら肉体的にも精神的にも強くなっていく。

ストーリーの骨格はどれもだいたい同じだ。だけど、ちょっと手を入れることによって、最終的な作品はぜんぜん変わってくる。

ハンターハンターの魅力(オリジナルなところ)は、これらの要素に加えて、より複雑な頭脳戦を取り入れたことだろう。
ハンター試験編(※1)やグリードアイランド編(※2)は、単純な対人戦闘だけでなく、試験官のルールやカードの効果によってより戦いが複雑になり、そこがめちゃくちゃ面白い。

ルールによっては、強い者があっさり負けてしまうなんてことも。立場や人間関係のパワーバランスによって、話が展開されていく点も面白い。

ハンターハンターだけしか見たことがない人は、ハンターハンターの何がオリジナルなのか気付くことができない。

ドラゴンボールもナルトも呪術廻戦も見てきたから、ハンターハンターの特徴を捉えることができた。

※1 ハンター試験:プロハンターになるための資格試験。個性的な試験官が様々な課題を受験者に与える。

※2 グリードアイランド:RPGゲームソフトの名前。ゲーム内には多種多様なカードがありそれらのカードを全て集めればゲームクリアとなる。

2. アニメも建築も全て考え方は同じ!

建築も同じだ。建築にも型がある。建築の一般的な型(スタンダード)を知っていれば、何がオリジナルで何がコピーなのかが分かる。

例として、丹下健三設計の「東京カテドラル聖マリア大聖堂」を見てみよう。

(丹下健三は都庁や代々木体育館、フジテレビ本社、広島ピースセンター等の設計で有名)

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東京カテドラル聖マリア大聖堂 外観 引用:カトリック東京大司教区

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東京カテドラル聖マリア大聖堂 内観 引用:ジェイビープレス・オートグラフ

建築は基本的に、柱・壁・屋根・床で構成される。屋根は陸屋根(平の屋根)か切妻の屋根が多い。これが建築のスタンダードの1つである。

この建築は、屋根と壁が一体になっている。この時点で、一般的な建築とは異なることが分かるはずだ。また、シェル構造を元に空間を構成していることと、過去にこのような建築の類似例がほとんどないことを知識として知っていれば、この空間が唯一無二であることが分かるはずだ。

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シェル構造図解(HPシェル) 引用:日本工学院北海道専門学校


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オペラハウス/シドニー/1973/ヨーン・ウッツォン  引用:wikipedia

ちなみに、シェル構造で有名な建物に、シドニーのオペラハウスがある。
構造原理をもとに、空間を構成した名建築は意外と多い。

以上、オリジナルかコピーかを判断するには、過去の作品事例を知ることが重要であることが理解できたと思う。

また、どの部分がオリジナルなのかを考察するためには、その作品の分野の型(スタンダード)を知ることが重要なことが分かったと思う。

3. 新しいものをつくるために必要なこと

実は、新しいものをつくるためには必要な考え方は、作品を評価する際の考え方と全く同じだ。

作品が全てオリジナルなことはまずあり得ない。アイデアを出すためには、最初にその分野のスタンダードを理解した上で、自分のオリジナル性をどのように付け加えるかを考える必要がある。

例えば、屋根に着目した場合、屋根をたくさん連ねることで景色をつくることができるかもしれない。

壁に着目した場合、すべての部屋の壁厚を変えることによって、それぞれの部屋ごとに必然的に壁の厚み分距離感が生まれてくる。開口部をつければその厚み分の距離感を認識できるようになる。

過去の事例を知っていれば、自分が作り出している作品がオリジナルなのかオリジナルではないのかが判断できるようになる。これが客観的に自分の作品を評価するということだ。

とっさに思いついたアイデアを紙に書き出したり、模型などでアウトプットすることにより、一旦自分の頭の中から離す。そうすることで、客観的に(自分が作った作品を他人がつくった作品だと思って)評価することが可能になる。これを何度も繰り返す。繰り返すうちに、これらの作業が頭の中でできるようになっいく。

過去の事例を知らないと、自分がやっていることが新しいのか新しくないのかが分からない。

その分野のスタンダードを知らないと、自分がやっていることが的外れなのか的を得ているのかが判断できない。

以上、新しいものを創るためには、過去の(古い)作品にたくさん触れましょうというお話でした♪

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