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続・母のこと

父がバイトに行く日は母に電話をすると決めてから約2ヶ月が経とうとしている。

週に1回ではあるが毎週母に電話することができている。
2ヶ月間週1回電話をしてみた経過を報告しようと思う。

電話をすると私の声を聞いて寂しくなるのか、母はいつも半分泣いたような声になる。それは2ヶ月間あまり変化がない。

電話の内容はいつも同じ様になってしまう。
父が出かけてしまって夜まで帰ってこないこと。
父がいなくて寂しいということ。
私は「寂しいけど、頑張ってお家で待っててね」と励ます。

電話をかけ始めて数回経った頃、少しだけ会話に変化が出てきたこともある。
畑をやっていることや今日やろうと思っていることなど。

でもその変化のあった会話がなくなり、また元の状態に戻ってしまったり。
一進一退といった感じだ。

普通に話せていた頃が懐かしい。
きちんと話をしてこなかったことが悔しい。

母はとても頭がいいし、よくおしゃべりする人だから、
ついネガティヴになってしまう。

だからといって沈んでばかりいないのが私のいいところ。

母は「新しいステージ」に進んだのだと考えることにする。
今は今で母は生きているし、母なりに生きようとしているのだから。
家族が暗い顔していたら本人も辛くなってしまう。
だからNEW母の人生を少しでも楽しくするために考えていこうと思う。

最近はメールを打つのがめんどくさそうなので、アナログに戻ることにした。つまり「手紙」を書くことにしたのだ。

手紙は月に1通からスタートすることにした。母もそれなら返事をゆっくり書ける。(私も月1通ならネタ切れせずに書けるかな?)

2通の便箋に1枚の写真を送ることにしている。
4月はパリで撮った写真を添えた。5月はニューヨーク。

母からの返事はたった3行だった。

あれだけ文章を書くのが好きで、字もきれいな母の返事はたった3行。

それはそれで面白いからいいのだ。

3行の返事によると、どうやら一緒に出かけたいみたいだ。
こんな状況なので頻繁には行けないけど、一緒にお出かけしよう!と返事を書いた。

電話に手紙。
すごくアナログなんだけど、母にとってはメールやなんかよりももっと身近なツールだと思う。だからこれは続けていく。効果が出なくても続ける。

母が楽しんでくれればそれでいい。

ゆっくりゆっくり、一歩ずつ一歩ずつ。

認知症の新しい薬が認可されたみたいだ。
これは情報を集めておこう。

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