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残念なお買い物体験からデパートの存続を考える

先日、都内にあるデパートでお買い物をした時の話。

普段は結構な割合でネットでのお買い物をするのだけれど
店舗に見に行ってみるのもいいかな?と思って、欲しい商品のメーカーサイトで取り扱い店舗を調べたらそのデパートにあるということだったので出向いたのだ。

すこしだけワクワクしながら売り場に向かい、お目当ての商品のコーナーへ。平日の昼時ということもありお客さんは私しかいなかった。たまたまそのコーナーの近くにレジがあり店員さんがいた。

軽く会釈をしてお目当ての商品を手に取って見始めたところ、店員さんがレジから出てきて横に来た。さすがデパートだな、なんて思っていたが…

その店員さん、一言二言商品の説明をしてくれたがそのあとはほとんど無言で横に立っているだけ。
私が商品を選ぶ様子をただひたすら見ているのだ。

いや。気まずいよね。

お目当ての商品はデザインが複数あるのでじっくり手に取って選びたかったのだ。でも真横でじーっと見られていたらなんとなく落ち着かない。(きっとこの状況でも落ち着いて買い物できる人もいるんだろうけど)

あーあ、やっぱりネットで買えば良かった。

これが正直な気持ちだ。

もしかしたら私のことを「万引きしそうな人」認定したのかもしれない。
少しだけカジュアルな服装ではあったけど、そんなふうに見られるほどカジュアルではないつもりではあった。

横に立っていても、例えば「どんなデザインをお探しですか?」とか「どんな用途でお使いですか?」といった接客でもいいのでしてくれれば迷っている私には満足のいく商品選定の一助になっただろうけれど。

ただ、ひたすら私があーでもないこーでもないと悩む姿を横で見ているのだ。

これが別のお店だったら自由にゆっくり選べたのかもしれない。(それもまたデパートに対する偏見かもしれないけど、店員さんの視線はそのくらいの威圧感だったのだ)

やっぱりいいです。といって買わずに帰ることも考えたが、買って帰ることを想定して家を出てきたのでしっかりと購入してきた。決して安い買い物ではないので威圧的な視線の中でもできる限り納得のいくものを選択したつもりだ。

昨今、デパートの存続が…といった話題を耳にすることが多い。
今回の残念なお買い物体験から思った素直な気持ちは

そりゃ、こんな接客じゃお客さんは離れていくだろう。だ。

もちろん素晴らしい接客をしてくれるデパートがあることは知っている。
でも今回出向いたデパートもそれなりに名前の通った大きなデパートだ。
たまたまこの店員さんの接客スタイルがこういうものであったにしろ
何度かデパートで体験したことをふと思い出してみると、こういうスタイルの店員さんにあたったことが何度かある。

いや、あなたの態度がデパートに向いていないんじゃない?
という声も聞こえてきそうではあるが。
自分は自分なりに出かける時は服装に気を使っているし
お店や店員さんに対しても敬意を払いつつお買い物をしているつもりだ。
実際に良い接客を受けた経験が何度もある上での考察。

おそらく、この店員さんは私を
このデパートには不釣り合いな客で、万引きすらしそうである
と判断したのだろう。
(それはそれで面白いけれど。じゃあドレスでも着ていけばいいのか?)

デパートや百貨店という存在は確かに敷居が高いイメージで
「特別な体験の場」という認識がある。
小さい頃はちょっといいお洋服を着て買い物に行った記憶がある。
でもその一方で誰もが「特別な体験」をすることができる場でもあるのではないか?と思うのだ。

センスのいいバイヤーさんが質のいい商品を世界中からセレクトして販売することで「良きものを見て、手に取って、買うことができる」という特別な体験を提供する。
庶民からすると、他のお店とは違って少し高額なものを購入するのだから
少しだけ良き接客を期待してしまうというもの。

そのスタイルが逆になってしまっているのかもしれない。
「このデパートに合わないお客様は歓迎できない」という目に見えない何かを持っている店員さんやデパートがあるのかも。

緊張したり、ワクワクしながら買い物をしにきた人たちがこんな体験をし続けたとしたら、そりゃデパートには行かなくなる。
近所のお店や量販店、今時はネットだって同じようなものは買えるのだから。お店の人とはレジでしかやり取りしないので自由に気楽に選ぶことができる。そっちの方が快適なお買い物体験と言える。

まあ、常連客でもないのにデパートで買い物するな、接客を期待するな(今回は接客されない方を期待した)、と言われたらそれまでなんだけど。
上得意様には専任のスタッフがついたり外商があったりするもんな。

と、思わず書かずにはいられないほどの威圧感の中で体験したお買い物の話はこれでおしまい。

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