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【映画メモ】この世界の片隅に【#6】

先に「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」を見てから、そういえば前にテレビ放送があって録画してあったのが通常版だったかもと思って見てみました。

あらすじはYahoo!Japan映画さんより

1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり、町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。

https://movies.yahoo.co.jp/movie/348641/

なんか色々違って、先に長い方を見ていたのが良かったのか悪かったのか。

例えば、水沢くんがすずちゃんに(当時は貴重な)鉛筆をあげるシーンがあるのですが、特別版ではそのシーンの前に水沢くんがデリカシーなくすずちゃんの机を動かしてしまって、短くなった鉛筆が床の穴に入って失ってしまいます。その償いとしてぶっきらぼうに鉛筆をあげます。通常版だとそのシーンが全て無く、いきなり鉛筆をぶっきらぼうにプレゼントします。そうすると、大人になってから再会するシーンで2人の間に色々あるのですが、水沢くんはすずちゃんを昔から明らかに好きだったというような見方になります。ほのかな恋心ではなく。ここは特別版の方が良いように感じました。好きなんだけど照れや恥ずかしさがあって、でも理由をつけて鉛筆をプレゼントして、ほのかな恋心が大人になって昔を思い出しながら再会して・・・という。

他にも、遊郭のエピソードがごっそりありませんでした。そうすると最後の方で空襲にあった時に割れる口紅は、すずちゃん自身ものだということに。特別版だと、口紅をリンちゃんから貰うシーンがあるので、口紅が割れる意味が違ってきます。リンちゃんと、旦那と、すずちゃんの関係性が思い出されます。通常版だとそういう複雑な関係性ではなく、単に空襲の怖さ、日常の破壊というような戦争の悲惨さに焦点が向くように感じました。

どちらも、それぞれの良さがありましたが、通常版→特別版の順に見た方が良かったかもしれません。そこだけがちょっと後悔です。まだ見ていない人は、まずは通常盤を見た方がいいと思います。

というところまで書いてから「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の公式サイトを見てみたら、イントロダクションに次のように書いてありました。

この映画は、大ヒット映画『この世界の片隅に』の単なる長尺版ではない。250カットを超える新エピソードによって、これまで目にしていたシーンや人物像が、まったく異なる印象で息づきはじめる。『この世界の片隅に』を知る人も、知らない人も1本の‟新作“として体感することになるだろう。

https://ikutsumono-katasumini.jp/

そうです。新エピソードが加わったので通常盤のシーンや人物像の定義が変わっているのです。そういう視点で見ると、とても楽しめます。というか、間違い探しや、変更点、追加シーンを探すような見方では楽しめません。それぞれのシーンの意味が根本的に変わっている部分も多くあるので、新作として見るのがいいです。ただし、先に「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」を見ると、先入観ができてしまうので、やはりおすすめは通常版→特別版です。

おわり


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