見出し画像

教育実習生から学んだことについて

初めて、教育実習生を指導する立場になった。
指導する、というのは名目上のことで、関わりを持つことで貴重な経験をこちらもさせてもらった。

①授業について話し合うことは、とても楽しいということ。
より良い授業にしたいと、教師なら誰もが願っているはず。だからこそ、日々教材研究に励むわけだが、忙しいため、職場で話し合うことはあまりない。でも、実習生の授業については、放課後に必ず時間をとって話し合った。話し合ってみると、そういうことを考えていたんだなといった発見や、今度はこれについて聞いてみたいった問いがどんどん生まれていった。ただ、話し合っているとどうしても1時間くらいかかってしまうので、お互いに帰宅時間は遅くなった。

②教えるよりも引き出すことのほうが、大切だということ。
実習生の授業は、ツッコミどころ満載である。だから、ついそれを突きたくなる衝動に駆られる。実際のところ、最初の数回の話し合いは、私が「いい所3個+ダメ出しエンドレス」ってな感じで話していた。ダメ出しを一生懸命メモしているのをみて、よしよし、と思っていたが、ふと目を見ると、涙を溜めていた。
ああ、これはよくないと思って、次の日からやり方を変えた。

・お互いの立場で気づいたことを話す

・こちらから、問いを投げかける

・問いに答えてもらい、それに対して自分の考えも述べる

ざっくりこんな感じ。
①でも書いた通り、時間はかかるけど、結果的にはこのほうが授業改善は進んだ。このことから、実践という事実から学ぶことが授業研究の醍醐味だと気付かされた。どうせ、指導側が自信たっぷりに「あーじゃないこうじゃない」と話すことは、自分自身の言葉ではなく、誰かからの借り物でしかない。
いかによい問いを投げかけて、お互いに学びを深めていけるかというところに、指導者側の力量が現れると思う。そのためには、やはり事実を見取る眼力が必要だと思う。

③指導者という立場を捨てたくなったこと
便宜上、指導という言葉を使わざるを得ないが、「実習生とともに学び合っていた」というほうが、感覚的には近いものがある。そして、実習生の指導をしていると、子どもたちに対する授業も、本来こうあるべきだという思いを強く持つようになった。いま、教師=指導者という立場を、子どもとの上下関係を、一刻も早く捨て去りたい。スポーツの世界では、指導者と選手の立場がフラットになっているという話も目にするようになった。
が、現実にはなかなかそうもいかない。自分がそうしたいと思っても、周りがそれを許してくれないという状況が横たわっている。

実習を通して得たものと、残された課題。どちらも、自分にとっては大切なものになった。実習生に感謝したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?