見出し画像

Living in Night City / ナイトシティを生きる

こんばんは。
あるこです。

昨年12月にリリースされたCyberPunk2077をクリアしました。
とはいえ無数にあるジョブを網羅したわけでなく、とりあえずメインジョブを一通りクリアしてみたところです。
ちなみに私はPS4でプレイしていました。

ここ数年はゲームは専ら見る専門だったので、FPSだしこんなに複雑そうなゲームが果たしてクリアできるのかしら、と自分でも心配していましたが、難易度ノーマルでなんとか無事にエンディングまでたどり着くことができました。

ギラギラと輝くネオンと猥雑なグラフィティが彩る巨大な街、ナイトシティを舞台に傭兵として生きる主人公が、とある仕事をきっかけに大事件に巻き込まれていく。2077年の未来では人々は自らの身体に"サイバーウェア"と呼ばれる機械を取り込んで能力を増長する一方で、使い方を間違えれば"サイバーサイコシス"という錯乱状態に陥って制御不能な殺人鬼になったり、高価なサイバーウェアを狙って誘拐され、機器だけ盗まれて殺されるなどという凶悪な事件が多発している。

水は汚染され、空気は酷く臭う。
民衆から搾取するコーポと人々との対立。
危険な仕事に身を投じて成り上がり、伝説となることを夢見る若者たち。

この世界観が、もう趣味のど真ん中なのです。
近未来とか、身体にインプラントを埋めこむだとか、ディストピアだとかという設定が大好きで、終始ワクワクしながらプレイをしていました。

本当にナイトシティが好きすぎて、街中を歩くだけのVRを開発してくれるならお金を出しますよというレベル。

このゲームにハマり過ぎて書きたいことはたくさんありますが、まずはクリアしたてほやほやの熱量のままエンディングの感想を書きます。

ここから先はネタバレを多分に含みます。ご注意ください。

***

まず、何はともあれエンディングだが、私はいわゆる"節制エンド"になった。
ジョニーに身体のコントロール権を渡し、ローグたちと共にアラサカ・タワーへ乗り込み、オルトの力を借りながらも"神輿"に近づいていく。

アダム・スマッシャーとの戦いになるだろうということは予測していたが、ローグがやられたことに動揺しすぎて、そこからの戦闘と会話の選択がもう滅茶苦茶だった…(笑)

だってローグの人生って熱過ぎる。
惚れていた男が別の女性を追って命を落としたかと思えば、50年も経ってから別人の姿を借りて目の前に再び現れる。
CyberPunkの世界では処置を受ければ容姿は若いまま、長い年月を生きることができるけれど、それにしても50年。
特にナイトシティは色んな意味で人の出入りが激しい場所。
数えきれない人と出会って、見送ったり失ったりしてきたのだろう。

そんななかで様々な代償を払って、アフターライフの女王という不動の位置に付いたのだろうし、どうやら息子もいるようだし、そうやって50年間に得て護り続けてきたものを、ジョニーの登場によって捨てることになる。

50年分の深みを湛えたまま50年前の彼女に戻ったみたいで、アラサカ・タワーに向かうAVでのなかでの会話がとてもよかった。

きっと遺された家族もいつかローグがこうやって死ぬことは想像できていたのではないかな。彼女自身は過去と決別した、という風を装っていても、消化しきれない想いがじりじりと焦げ付いているのが、周りからでも見て取れたんじゃないかな、と想像してしまう。

そして"神輿"に辿り着く。
私の目標はまずVを生かして、ロマンスのあったリバーの元へ帰すことだった。

にも関わらず、Vを死なせてしまった。
ローグが死んでしまったことによっぽど同様していたのか、オルトとのVを助ける術はないという会話のあと、ジョニーがサイバー世界に留まるか、Vの身体に戻るかという選択肢があったのだけれど、

それを"Vの身体に戻る"を選択してしまった。

もう、本当にこれは、Vの身体に戻る=今まで通りVの身体にVとジョニーの二人の人格が宿る状態に戻るものだと盛大に勘違いしてしまった。

Vが「裏切者!」と叫んだ瞬間に、え、ちょっと待って…となったものの、取り返しがつかず。

そしてVの身体を手に入れたジョニーがナイトシティを去るというエンディング。

Vを死なせてしまったショックでしばらく動けなくなったものの、ラストのジョブのストーリーは全体的に凄く好きだった。
ローグとジョニーのエンディングもそうだし、ジョニーに主導権を渡すことによって、これまで一人称視点でプレイしていたために姿を見ることができなかったVと向き合って対話をするという演出が良かった。

ずっと自分が操作しているVに共感や感情移入をしていたけれど、目の前に他人としてVが現れて自分がジョニーとなったとき、共感の対象が変わった。

もちろんVには生きてほしかったけれど、Vが自分が操作できるキャラクターじゃなくなったことで、ストーリーを受け入れられたというか、どこか諦めが付いたような感じがした。

今まで長い時間Vとしてプレイしてきたのに、この瞬間に主人公のポジションがジョニーに切り替わって、Vがジュディやパナムのように、自分が直接影響を及ぼせない登場人物の一人になったようだった。

ジョニーが墓地を訪れて、ローグとVに別れを告げるシーンなど、すごく複雑な気持ちになった。Vとして「あんたのせいよ!」と責めたい気持ちと、ジョニーがVの身体で生きていくのにVとは決別しようとしているから、忘れられていく寂しさのようなものを感じた。

バスに乗って、Vの姿をしたジョニーがアップで写る。
フォトモードなどで彼女(私は女性キャラでプレイしていた)の姿は何度も見ていたけれど、初めてアップで表情が動く姿を見て、でも本当のVはもういないんだよな、とかジョニーは過去と決別するためにこの見た目も変えてしまうんだろうな、とか最初に私が創ったこの姿をしたVがこれまでのナイトシティで生きてたんだな…、とかいろいろと考えてしまって、というか考えすぎてしまって一人で泣きそうになった。

そして最後に画面が暗転して、ジョニー(V)の「Sh*t!」と吐き捨てる声がするが、それがRelicに不調が起きるたびにVが漏らしていた悪態と同じ声に聞こえて、ジョニーのこの先に一抹の不安を残す。

これでもう余韻に浸ってしまう。
せめてVの身体を手に入れたジョニーがこれから第二(第三?)の人生を手に入れてくれればなんとか納得できるけれど、結局彼も死んでしまうとなったら何もかもが報われないじゃないか、と。

私はアクションが下手くそだったので(それでも楽しめたけど)、どちらかと言えばストーリーを楽しむことに重きを置いていたけれど、こういうところも含めて、とにかくドラマティックで感情を揺さぶられるゲームだった。

ナイトシティで生きる人の命はとても儚いのだけれど、その一人一人にそこまでに至る生い立ちとか人間関係とかがあったし、序盤でジャッキーを喪った後はとくに独りぼっちだという感じがしたけれど、ストーリーが進むにつれて魅力的な仲間たちが増えていくのも面白かった。
自分=Vがどんどんナイトシティに馴染んでいく感じがした。

だからこそエンドロールで、もうVは死んでしまっているのに、親しくなった仲間たちからホロコールが入る演出が憎かった。あれは泣いてしまう。

特にパナムとアルデカルドスの面々からのメッセージが、みんなまだVは生きていると思っていて、いつでも戻って来いよ!という感じが…。とどめを刺しに来ているとしか思えない。

ということで思いがけずにVを死なせてしまったので、なんとか死なないルートがあれば辿り着きたいし、そうでなくても他のエンディングも見てみたいのであと何周かしたいなぁと思っているところです。

今回はストリート・キッドだったので他のライフストーリーや、男性バージョンでも遊んでみたいし。
CyberPunk2077はまだまだ遊べそうですね。

画像1



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?