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じゃない方のシナリオ

① 【Market Beat】円の乱気流、まだ入り口

06年に限らず、5回の利上げ局面のうち4回は利上げ停止から1年後に円安・ドル高方向に為替相場が振れた。唯一の例外は18年のケースだが、円高の進行幅はわずか1円。ショックに対応した利下げがないと大幅なドル安になっていない。
(中略)
FRBの利下げ転換によるドル安・円高の進行を予測する見方が大勢だ。だが、利上げ停止期間が長くなるケースや、1995年のように「利下げをしても景気やインフレの再加速で大幅な追加利下げが難しくなるケースは発生し得る」(野村証券の小清水直和シニア金利ストラテジスト)。

日本経済新聞

なんとなくこのまま緩やかに円高方向に行きそうな雰囲気だけど、歴史を振り返ると逆のパターンが多いっていうのは意外にゃ。Higher for longerが長引いたりインフレ再燃で逆に利上げを迫られたりするリスクは残ってるからその辺は要注意にゃ。

② ガス貯蔵「満タン」で備え 欧州指標、昨年の半値以下

イスラエルはエジプトとヨルダンにガスをパイプラインで輸出し、エジプトは国内需給が逼迫していなければガスをLNGに加工して欧州などに輸出している。国際ガス連盟(IGU)によると、エジプトは22年、合計約730万トンのLNGを輸出した。EUの1カ月分のLNG需要に迫る。
中東情勢が一時に比べて落ち着いたことなどで11月中旬に稼働再開にこぎつけたものの、紛争は再び激化しており再停止する恐れもある。
(中略)
天候も不確定要素。独連邦ネットワーク庁が11月にまとめたシナリオ分析によると、ガス消費を10%削減する場合には24年3月末まで貯蔵率が50%台で安定する見通し。だが、節ガスをせず、主に南東欧向けのウクライナ経由のガス供給が途絶えてドイツからの融通が増えるなどすれば、24年2月にも貯蔵が底をつくという。

日本経済新聞

原油とかエネルギー価格もだいぶ落ち着いてむしろ下落傾向に見えるくらいだけど、まだまだ油断禁物にゃ。中東情勢もよく分からにゃいし、厳冬ににゃって使用量が増えたらまた底を突くかもしれにゃくて、そうにゃってくると去年みたく日本が輸入するLNG価格にも波及する可能性があるから気をつけておきたいにゃ。

③ 【一目均衡】ジャパン・バリューを問え

米ハーバード大学で日本文学を学んだ後、30年以上も日本株投資に携わってきた根津アジア・キャピタル・マネジメントのデービッド・スノーディ氏。財務戦略の面で日本独特の価値を見いだそうとしている一人だ。
スノーディ氏の注目点のひとつは、株主優待だ。一般には個人と機関投資家との間で不公平が生じると指摘され、特に外国人株主の評判が悪いとして廃止に踏み切る日本企業は多い。しかし、同氏の分析によれば株主優待は株価のボラティリティーを抑える効果があり、それは資本コストの低減に行きつく。
「株主優待は分配の面では不公平かもしれないが、市場への効き目は公平。そもそも優待の金額は、配当や自社株買いに比べてはるかに小さい」(スノーディ氏)
受け継がれた匠(たくみ)の技でも、米国発の財務理論でも、忘れがちな日本の強みを海外勢が評価するということは、ままある。

日本経済新聞

資本コストの意識改革に力点が置かれている今日この頃。株主優待も日本的な悪習のひとつみたいに捉えられているけど、海外の投資家がむしろ資本コストの低減に貢献していると指摘しているのはにゃんとも滑稽にゃ。悪態を突かれてるものでもきちんと見直せばいいものはたくさん転がっていそうだにゃ。

じゃない方の側面にも目を配ると新たな発見がありそうにゃ。

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