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2024年7月の記事一覧
短編小説・まっくらな男
喉がゆっくりと締まるような気怠さに身体が支配されていた。今日に限ったことではない。いつだってそうだった。いくら眠ろうと、いくら食べようと、いくら休もうと、いつまでも居座る呪いのような倦怠感。果てのない繰り返しへの飽きが原因だと気がついたのはいつだったか。だが、それを思い出すのすらもはや億劫だった。
「なあ、それ、いらないならくれよ」
仕事帰り、コンビニを出てすぐのことだった。不意にそんな声が
喉がゆっくりと締まるような気怠さに身体が支配されていた。今日に限ったことではない。いつだってそうだった。いくら眠ろうと、いくら食べようと、いくら休もうと、いつまでも居座る呪いのような倦怠感。果てのない繰り返しへの飽きが原因だと気がついたのはいつだったか。だが、それを思い出すのすらもはや億劫だった。
「なあ、それ、いらないならくれよ」
仕事帰り、コンビニを出てすぐのことだった。不意にそんな声が