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好きなことを仕事に。塾長が地域に根ざした学習塾「学志舎」を設立した理由


「好きを仕事にしよう」。そう思って実現した方はどれくらいいるのでしょうか。この先好きなことを仕事にしてみたい。しかしチャレンジする自信が持てず、一歩勇気をもって踏み出せない方や具体的なイメージを持てず、前へ進めないと思う方も多いのではないでしょうか

「好きなことを仕事にしたい」。学生時代、勉強を教えながら「対ひと」と接することにやりがいを感じ仕事にしたいと考えた草薙昌志さん(通称:塾長)は人と人との信頼関係をベースにした個人学習塾「学志舎」を設立しました。

草薙さんはどんな思いから始めようと思ったのか、好きなことを仕事にした秘訣を伺いました。


【草薙昌志さんの経歴】
青山学院大学卒業後、1985年に個人学習塾「学志舎」を設立。現在までに500人以上の生徒を教えてきた。(以下、草薙さんを塾長と省略)
小・中・高校生を対象に、試験対策や高校受験に向けた勉強を中心に行っている。モットーは一人ひとりに寄り添う愛情あるコミュニケーションを大切にする学習塾。
同じ学志舎内で、キッズチアダンス(通称Candy Star)のレッスンもおこなっている。


☆公式HP→http://www.gakushisha.net/about

「人と人との対話」は無限の可能性を秘めている

–塾長がご自身で個人学習塾を始めようと考えたきっかけを教えてください。

大学時代の経験がきっかけで学習塾を始めようと思いました。実は私自身、高校、大学と正直これをやりたいと思うことがなく、高校は進学校である市川高校に入り、大学は青山学院大学に入学しました。在学中は、音楽サークルで友達とバンドに熱中して、大学生活を楽しんでいました。

勉強面に関して、きちんと取り組んでいたかといわれると、そうではなかったです。恥ずかしながら、将来「ああなりたいとか、これをやりたい」という将来設計はまったく考えていませんでしたね。
–意外です!当時から学習塾を開こうとは考えていなかったんですね。

最初の頃はあまり深く先のことは考えていませんでした。周囲は勉強して、有名な会社に就職したいとの大きな目標がありましたが、自分は本当に漠然としていました。でも会社員として働くより、いずれは好きなことで起業したいとは考えていました。大きな転機は、大学時代にバイトで始めた家庭教師です。

家庭教師をおこなっていた際にあることを感じました。勉強は、相手に教えればその分吸収、理解してくれる。わからないところはわかるまで丁寧に説明することで、相手は理解する。それは人と人とのコミュニケーション、対話があるからこそ生まれるものだと思い、同時に教えるのがとても楽しいと感じました。

そして自分が教えると同時に、相手からも教わると気づかされました。相手に「ここまで教えれば終わり!」というものはありません。相手に教えればその分吸収、理解してくれて自分の成長の肥やしにも繋がります。「対ひと」とのコミュニケーションが、共に成長することができる無限の可能性を秘めているのだと気づき、とても生きがいを感じましたね。

この経験が、学志舎設立の大きなきっかけとなりました。

–なるほど!学志舎設立は、大学に入ってからだったんですね。

そうですね。大学で「教えること」や「対ひと」との素晴らしさに気づき、学習塾を設立しようと思いました。

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※学志舎で実際に使用している教室

信頼をモットーに。愛情と笑顔あふれる学志舎

–私自身、小学校の高学年から高校卒業まで約8年間学志舎で大変お世話になりました。今思うと、学志舎は他の学習塾とは違うとても温みのある塾だと感じています。改めて学志舎が他の塾とは違う大きな魅力を教えてください。

―学志舎の大きな魅力は、アットホームな信頼を大切にした学習塾であることです。

昔の江戸時代に存在した寺子屋のような、堅苦しくなく何でも話せる場として学志舎はありたいです。生徒がフランクに通いやすい場所となるよう、優しい雰囲気を大切にして、常にコミュニケーションをとるよう心がけています。

また生徒の悩みを気軽に相談できるよう学校生活、人間関係勉強、自身の家庭環境についての悩みなど、相談事を個別で話を聞いたり、生徒が解決できるように寄り添いながらアドバイスをします。ただ、寄り添うだけではなく時には正面からその子のために愛情を持って接しなければいけないことも必要です。これも生徒との信頼を築くためにとても大切なことになります。

–中学生や高校生が悩みを打ち明けられる場所があると、とてもありがたいです。私自身の勉強以外に学校生活での人間関係の悩みを学志舎で相談させて頂きました。学志舎なら落ち着いて相談を聞いてくれるという安心感があります!

学志舎は中学生をメインに授業をおこなっていますが、中学生は思春期に入ると悩みが必ず出てくる年齢です。親にいえないことも何でも話せる学志舎があれば、生徒にとって悩みを解決してくれる場所として心を開いてくれます。

また地域の特色上、共働きの家庭が多く、どう勉強したらいいのかわからないと悩む生徒が多いですね。地域に根ざした学習塾として、学志舎はほんの少しの手助け「一助」になりたいです。そして勉強以外の悩みも聞いてあげ、一緒に解決できれば本人の自信に繋がり、その結果勉強しようとの意欲に繋がります。

–悩みを聞いてあげて、一緒に解決する。「対話」を通して自分に自信をつけさせるところに導いてあげるんですね!

そうですね。要は生徒との「信頼」を築くことがもっとも大切です。「信頼」は日々の対話やコミュニケーションを大切にするからこそ生まれます。

–自分も含めて、卒業した多くの元生徒達が近況報告や就職した仕事の悩みを相談しに学志舎へ来るのをよく見ます。生徒との「信頼」関係がある証拠ですね。

普通の学習塾は勉強のみ教えますが、学志舎は勉強以外のさまざまなことを教えてくれる場所であり、それが学志舎の大きな魅力の一つです。

また学志舎の立地面を考えると、駅近で誰もが目に付く場所にあるかといわれると、そうではありません。正直通いづらい場所にあるのは確かです。

–今は違和感がありませんが、よく考えてみると確かに学志舎ってわかりづらい場所にありますよね……。

そうなんです。「ここは学習塾だよ」といわないと正直わからない場所にありますし、「え?ここにあるの?」とよく言われます(笑)個別指導塾のような駅から歩いて数分のわかりやすい場所にはありません。しかしありがたいことに駅から遠くても多くの生徒が集まってきてくれます。現在の学志舎があるのは、生徒や親御さんが学志舎を応援してくださるおかげだからです。

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※個別授業部屋。生徒との悩み相談もこちらで行っている。

共に頑張ってきたからこそ、喜びあえる価値がある

–学習塾を経営して今年で36年。生徒と一緒に成長してきたなかで、さまざまなことがあったと思います。学志舎を続けてきて、どんなやりがいや楽しさを感じますか?

先ほど同様になってしまいますが、勉強を教える際に相手が理解したときがすごく嬉しいですし、楽しいと感じますね。相手に勉強を教えればその分理解、吸収してくれる。自分自身も教えることによって、相手に教えていただく。

また学習塾なので、生徒それぞれに個々の能力に違いがあります。だからこそ教え方を工夫しながら、相手にわかりやすく伝えることにとてもやりがいを感じますね。教えるということは終わりのない無限の可能性があるのです。

また生徒が自分の目標とする志望校へ合格したときはとても嬉しいです。私達先生も生徒と共に志望校をどこにするか一緒に悩んだり、合格するためのアドバイスや勉強を教えながら共に受験まで一緒に努力、頑張るのです。

その努力が報われて、生徒が志望校に合格してくれたことや、望んだ通りの結果になった時に、やりがいと同時にとても大きな達成感を感じます。「対ひと」とのやりとりだからこそ、生徒と一緒になって喜びをわかち合える。本当に素晴らしいです。

–私も大学受験の時に塾長へ合格の報告をした際にとても喜んでくれて、すごく嬉しかったです。一緒に喜んでくれる方がいることはありがたいと感じますし、努力して頑張って良かったなと思います。

「対ひと」とのコミュニケーションだからこそ、一緒になって喜び合えるのが嬉しい限りです。実はもう一つ、嬉しいと感じることがあります。それは自分自身が教えていた昔の生徒が結婚、子どもができその子どもたちが今度は学志舎に通ってくれること。そんなありがたい話はないです!

理由をきくと、親御さんたちが「学志舎であれば、勉強以外の悩みを聞いてくれて、成長できる塾だから入りなさい」と言ってくれたそうです。学志舎なら自分の子供を安心して通わせられると思ってくれている。

–私もそう思います!もし将来子供ができたら、「学志舎は悩んだ時に相談にのってくれる安心できる塾だから通ってみるといいよ」と伝えます。何より「安心できる」学習塾というのが一番です。

そういってもらえて本当に感謝です。正直、失敗やうまくいかないと苦悩する時は今まで多くありました。しかし親子2代にわたって塾に通ってくれる。学志舎が今まで努力して積み重ねた信頼の証拠です。こんなに嬉しいありがたい話はないです。生徒や親御さんに本当に感謝しています。

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※職員と生徒が賑わう事務所の写真

日々の努力を忘れずに 自分を信じよう

–では好きなことを仕事にしたいと記事を読んでいる方に一言お願いできますか。

まずは自分を信じて少しずつ挑戦してみることです。「好きなことを仕事にしたい」。でも最初は不安になるのは当然です。時には失敗を恐れず、経験の1つととらえてチャレンジしてみましょう。失敗なくして成功はありません。そして何かを始める際には勇気が必要です。臆することなく行動してみてください。

また、何事も自分自身が謙虚になって相手に対し誠実に接するよう心がけてください。高飛車にならず、相手に寄り添って接することがとても大切です。周囲との信頼を築くことは、すぐには難しいかもしれません。しかし地道に続ければ、いつか必ず信頼関係が見えてきます。大切なのは「日々の継続は力なり」です。

学志舎は「生徒と親御さんの勉強に関する負担を無くしたい」。その思いを常に持ちながら続けてきました。ここまで36年続けられているのは生徒や親御さん、地域の皆さんのおかげです。本当に感謝しています。これからも生徒に寄り添いながら学志舎を続けていきたいと考えています。

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※玄関先にはいつもこの言葉が飾られている。


編集後記

「好きを仕事にする」自分がやりたいことに、前向きに取り組み、やってみたい気持ちにしたがって行動してみる。選択肢や働き方は人それぞれ多種多様にあり、選ぶのは自分自身。1度きりの人生だからこそ、後悔なくチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

ただ何かを始めるとき、必ず苦労はつきものです。これから経験する大変さや困難もこの先の成長の糧になると思い、一生懸命誠実に努力してみてください。

今後、挫折や悔しさは、数え切れないほど出てきます。悩んだらいつだって自分が始めたときの気持ちを思い出してみてください。そして時には柔軟さを持ちながら、人の声に耳を傾けましょう。

「人と人との対話」をとおして、成長しあうことにやりがいを感じた塾長。自分を成長させてくれた周りに感謝し、これからも感謝を続ける。今後さまざまな困難があるかもしれ
ませんが、自分らしくカラーを忘れずに。塾長の生き方が、誰かの心を動かすきっかけとなれば幸いです。


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