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いつかの南イタリア旅行

かなり昔の旅行だけどこれもハチャメチャ行程でオモロだったので、思い出しながら書きます。
コロナ前の旅程って正直参考にならないよね~。この記事はそれに輪をかけて参考になりません。暇つぶしにでもお読みください。

7月9日 日本→ナポリ

ただの移動日。
ヨーロッパに行くと旅程の前後はどうしても移動日で潰れるよね。
徒歩5分の所に移動してきたりしない?

7月10日 カプリ島・ナポリ→???

まだ何も知らない私たち

朝一の船でカプリ島へ向かう。
当初は普通に青の洞窟だけ見て帰ってくるつもりだったけど、船頭さんと話をしていたらカプリ島一周ツアーも面白そうだなと思ってそちらに乗ることにした。後の地獄の始まりとも知らずに。
カプリ島は船着き場のあるいわゆる正面の街並みとは裏腹に、切り立った崖に囲まれた島で、それを船から見られたのは面白かった。色々な観光名所もあって、ここじゃなきゃなかなか見る機会がないものも多くて楽しかったな。

こ~んな洞窟に頭から突っ込んだり
こ~んな岩穴を通り抜けたりした
ここ、通り抜ける際にキスしてると永遠の愛を誓えるとかいうリア充スポットらしいです

島を一周しておおよそ1時間程度。そこまで大きい船ではないので、崖に打ち寄せる波に翻弄されて割と揺れる。その後、青の洞窟に向かったのだけど……朝一で出発したツアーも島を一周している間に青の洞窟だけのツアーの時間とかぶりにかぶり、洞窟前は待機の船で込み合っていた。
それを見て、限界を感じたのか青ざめた乗船客のうち数名が港に帰りたいと言い出す。船頭さんは青の洞窟の見学が終わった船に彼らを乗せてもらって帰ってもらっていた。よくあることなのかな?

これも一部。周りにもっと船がいる

そしてさらに待つ。待っている間も青の洞窟前の少し湾になった部分に波が打ち寄せ、船が揺れ、同じ場所に留まるために船は回転し、日差しは降り注ぎ、もうこれは酔ってくれと言わんばかり。徐々に乗船客の中から帰りたいという人が増え始め、最初の彼らと同じく帰る船に乗せてもらう。
最終的に半分程度に減ったところで、私ともう一人を除いて全員ダウン。逆に私たちを待機の船に乗せて元々の船は港へ帰って行った。そんなことある!?
後の地獄、といったがそれは帰ってしまった彼らのことでした。チャンチャン♪
私は三半規管激鈍人間なのでぜ~~んぜん酔わない。それでも若干これは…酔いか…?という気持ちにはなったし、周りの乗船客の皆さんが地獄を見ていたので、私(ともう一人)のような三半規管激鈍人間以外は大人しく青の洞窟のみを見るツアーにした方が良いと思う。それでも下手したら船上で1時間くらいは待つわけだし。もしくは地上から行くルートもあるが、あまり便がよくないのと順番がいまいちわかりづらいので、どうなんだろう?

ぶ、ぶれてる~!!結構揺れるのでうまく撮れてる写真がない
この舟数でみんな好き放題カンツォーネを歌っている

青の洞窟自体はとてもよかった。みんなが来たがるのもわかる。船頭さんが歌うカンツォーネが洞窟内に響いて海の水は洞窟の入り口から差し込む光で真っ青に染まって現実感なかったな。
洞窟から出た後の小舟の船頭さんとのチップの問答は現実感ありすぎ!!!??日本人とみるやかなりのぼったくり価格を要求してくるので、納得できなかったら普通に交渉しようね。(周りの人がほぼ一緒に帰ってくるので隣の小舟の価格に耳を澄ませてるとオイ!!!???ってなる)
カプリ島、住むには不便すぎだけどリゾート地としては滅茶苦茶いいところ。坂、というかほぼ山の上に街ができてそこから見下ろす海の綺麗さ、なかなかないものだと思う。

緑と白と青、全部が色鮮やか

カプリ島から帰ってきた後はナポリの街をぶらぶら。
旅程の終盤にもナポリに戻ってくるつもりだったので、いくつか港に近いところだけを見て終わり。
適当に食事を買い込んで、フェリーに乗船。さて、どこに行くんでしょう?

フェリー!大好き!

7月11日 ナポリ→パレルモ・ファヴィニャーナ島

パレルモに向かう夜行フェリーでした!!!!
到着時刻の少し前に準備してロビーに向かったら他の乗客は誰もおらず、船員さんに「まだ着かないよ!!着く前に部屋ノックするね」って言われてエ!!!??ってなっちゃった。忘れてた、ここがイタリアってこと。
約1時間遅れでパレルモに到着。
ホテルに荷物を預けて、この旅のひとつの目的であるファヴィニャーナ島に向かいます。
「船が浮いて見える海」があるって聞いて、行きたくなっちゃった。昔の東芝レグザのCMで見たことある人もいるかも。
パレルモからバスを使って港町トラパニへ。そしてそこからフェリーでファヴィニャーナ島へ。こんなに交通機関使って無事に往復できるのか!!?イタリアの交通機関への信頼はほぼゼロです。
バスは遅れることなく、無事にトラパニへ到着。えらい!フェリーを往復で購入しようとしたところ、時刻表と全然違う時間を言われる。じゃあこの時刻表、何!!???
すべての運行時間を聞き出して、希望する時間のフェリーチケットを無事に購入し、出発までトラパニをうろうろ。

トラパニ。海岸沿いをうろつく。

のどかな港町って感じでいいところ。暑かったのでジェラートを買って堤防で食べたけど、今思うとその姿、すっごい夏!!!って感じだったな。
フェリーに乗ってファヴィニャーナ島へ到着。港前のお店でレンタサイクルを借りる。観光地なだけあってちょっと割高だけど、移動手段としては自転車が一番よかったと思う。ちょうどよく景色も見れて、それに小さな島だから全然回れる。
目的のカーラ・ロッサへ。赤い入り江、という意味だけど赤…?地名に頭を悩ましてても仕方ないね。
本当に綺麗な海だった!!思い出補正もあるだろうけど、今でも一二を争うくらい好きな海かも。

浮いて…は見えないか~。風と波と天気次第
でも本当に綺麗な海だった
最高~~~!!!(海辺に降りるまでびっくりするくらい急勾配)

滞在時間数時間なの、レンタサイクルのお兄さんに正気を疑われましたが、この旅程がそもそも狂ってるから……ヘヘッ。確かに数日いたくなる島だった!また行きたいな~!!言うだけはただです。
行きと同じ行程でパレルモへ帰る。いや、本当イタリアの交通事情で無事に帰ってこられたの、今思うと奇跡的。関係各位、ありがとうございました。

7月12日 パレルモ→ナポリ

これ、例のアレです

パレルモのことな~んも知らずにその地に降り立ったが、マフィア!レモン!という偏ったシチリア知識だけは持っていたので、ゴッド・ファーザーパートIIIに出てくるマッシモ劇場の見学ツアーに参加する。
これが滅茶苦茶面白かった!!!貴賓席や準備中の舞台の見学はもちろん、練習中のダンサーさんたちや建物の構造で声が響き渡るドームなども見たり体験したりすることができて、本当に楽しかった。今でも一番好きな見学ツアーかも。

普通に公演を見に来たくなっちゃった

ご飯も外れな~し!!と言いたいところですが、この後も含めて何度か行ったイタリアの中で唯一食べれないかも!?と思ったのがシチリアで食べたモツ煮込みだった。
そもそもモツ自体、好みが分かれる食材なので私が駄目だっただけで普通においしく食べれる人はたくさんいるはず。
その他にも色々食べて、本当にモツ煮込み以外は何もかもおいしかったよ~!
夜にはまたナポリ行きの夜行フェリーに乗り込みます。そろそろわかったか?このハチャメチャ行程がよ。

7月13日 サレルノ・アマルフィ

アマルフィ、朝も昼も夕も夜も絵になりすぎる

翌朝、行きのフェリーで学んだ通り、起こされるまでは部屋でのんびりしていた。でもほぼ定刻で到着。その足でそのまま駅に向かい、ナポリから電車でサレルノへ。
アマルフィへ向かうバスを待つ間、サレルノをぶらぶら。ナポリからずっと港町ばかりを見て回っている気がする。そこまで大きな街ではないのと、荷物を抱えていたので、本当に少しだけの観光だった。
バスに乗り込んでアマルフィへ。またここでも三半規管激鈍人間の強みが生かされてしまうわけだけど、崖に沿って作られた道はとにかく狭くて曲がりくねっている。それを大きなバスで通るわけなので、揺れるわ急ブレーキするわ対向車とバトるわで、大変スリリング(婉曲)な道のりでした。
これ、絶対自分では運転できないよ……普通に住んでる住民すごすぎない?
到着したアマルフィはサレルノよりももっと小さな港町。ただ、絵になるな~!!桟橋から振り返って見える街が小さいながらもとても綺麗で感動した。行けてよかった。

7月14日 アマルフィ・ソレント

アマルフィの目的のひとつである紙の博物館に向かう。
ここも見学ツアーに参加して、和紙と作り方はほぼ一緒だけど材料違うのやっぱり地域の特色が出てるな~と思いつつ、体験は別の人が選ばれたことに涙を流しつつ、存分に楽しんだ。
街の散策もして、ソレント行きのバスに乗る。
ソレントで電車を待つ間、展望台で景色を眺めていたのだけれど、ここで何故か私のことを天使名で呼称して褒めちぎる変なおじさんと出会ったので、その記憶が色濃すぎて他のことをあまり覚えていない。
徐々に人気のない方に誘導され始め、久々に身の危険を感じて電車の時間がヤバいから!!!じゃあな!!!と言って別れたが、変なおじさんお元気でしょうか。元気だったとしても他人を天使の名前で呼ぶのは普通に怖いので止めた方が良いと思う。
全然時間はヤバくなかったので、駅で時間を潰してからポンペイへ向かう。帰れソレントへどころではなく、帰れなくなったソレントへ。

誰もが思うことだろうけど、この広い街がまるごと逃げる間もなく
住んでいた人ごと飲み込まれたと思うとすっげ…(語彙力ゼロ)ってなるよね

ポンペイ遺跡は一生に一度は行きたかった場所だったので、行けてよかった!今さらどこがいいとか言うまでもないところだよね。ただ、とにかく野ざらしの広大な遺跡なので暑さと体力にはお気を付けください。
昼過ぎくらいに行ったのに、全然見切れなくて後ろ髪引かれながらナポリへ。未来の自分が再訪するので安心していいよ。
南イタリア西沿岸を大きく回ってナポリへ帰ってきた。

7月15日 ナポリ

他の都市の路地と見比べても何故かナポリだ…となる路地
有名なスペイン地区でもないのに

主に教会を巡ったのだけど、写真撮影不可だったり雰囲気的に憚られたりで全然写真残ってなかった。この後数年後にもう一度ナポリに行く機会があったのだけれど、その時にもまた行きたい!となったくらい好きなのは、サンセヴェーロ礼拝堂。
Cristo Velato、ヴェールに覆われたキリスト。大理石でこんな表現ができるのかとずっと見てられちゃうな。ヴァチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂、ミケランジェロのピエタがこの世で一番好きな彫刻なんだけど、そこに並ぶくらい好きだ。
自室にヴェールに覆われたキリストとミケランジェロのピエタ、その二つのポストカードと、別の機会に教会でぼーっとしてたら人から貰った綺麗なロザリオ(どういう経緯?)が飾ってあるので、滅茶苦茶キリスト教徒の部屋になっている。特に何を信仰しているわけでもないのに。

うますぎ!!!??
数枚の焼け焦げたバジル以外の新鮮バジルはピザ持ってスーパーでトマト買ったら
野菜売り場のおじさんにピザ食うならバジルも持ってけ!!とおまけで袋に詰められたやつです

当時の同僚(イタリア人)にナポリに行くなら食べてほしいピザがある、と力説されて行ったお店が本当においしくて、短い滞在期間だったのに2回も行ってしまった。
L'Antica Pizzeria da Michele、どうにかして近所に移転してこないか???

7月16日 ナポリ・プローチダ島

可愛い色合い、映え街である

前日にひとしきりナポリ観光は済ませたかな、と考えていたところ、思い立ってプローチダ島へ行くことにした。イスキア島と迷ったんだけど、水着を持ってきていなかったので、温泉が名所のイスキア島はまたの機会に。
またもな~んにも考えずに船に乗り込んだので、適当に島を散策してたんだけど、たまたま島の南東、鮮やかな色の壁で彩られた家が立ち並ぶコッリチェッラ地区を見下ろす道に出て、それが小さなトンネルを抜けた先だったのがとても印象に残っている。綺麗でのどかで良い街だったな。ご飯もおいしかったし。

これ、おいしいご飯の証拠写真です

船でナポリに帰る間、嫌じゃ!!まだ帰りとぉない!!と心の麿が泣きわめいていたけど、帰らなきゃならないんだよなぁ~~~!!!!

7月17~18日 ナポリ→日本

行きと同じ行程で、ナポリからローマ、そして乗り換えて日本へ。
無事帰宅!!

悲しみのナポリ出発便
A presto!

総括

この度の前に北イタリアを巡る旅には出かけていて(それもいつか書けたらいいね)、それがとてもよかったので南イタリアにも行きたいなと思っていたので、まずは行けてよかった。
こんなハチャメチャ行程になったのは、この期間で行きたいとこ全部行こ!!としたからなんだけど、やっぱり結構キツかったな~…。特に南イタリアはバカンスを過ごすための街が多くて、1週間とかが標準の滞在期間なんだろうなと思ったし、できればすべての街でそれくらいいたかった。
ナポリは街の喧騒、治安、清潔さ、どれをとっても居心地がいい街!!とは正直とても言えないと思うけれど、それでも魅力ある街だと言えるくらい好きな街だな。とにかくご飯が本当に外れないので。住めるかと言ったら住めないと思うけど……。
シチリア島だけの旅もいつかしてみたいと思いつつ、イタリアは魅力的な街が多すぎて、結局近くに行くなら好きな街全部行きたい!ってなっちゃって、全然時間が足りないよ。
やっぱり徒歩5分の所に国ごと移動してきてもらうしかねぇよなぁ!!??
地球がヤバいことになるので、おわりです。

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