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西平麻依
2018年1月30日 19:00
クリームたっぷりのケーキが目の前にある時、まだそれを口に入れてもいないのに、舌先に甘い味がとろける。一輪の花が目の前にあるなら。たとえば、バラ。花びらはほんのりとマットで、枝葉はみずみずしく、棘の輪郭は凛と引きしまっている。鼻先に、ふわんとした香り。もうそれだけで私はダメだ。口の中に、バラがいっぱいに広がってゆく。強烈な香水を飲まされているみたいで、頭がクラクラして、胸やけがこ