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マライ・メントラインさんが面白い

人に対して面白いと書くと語弊があるかもしれない。失礼にあたるかもしれない。
でも誤解を恐れずに言うと、私にとって今とても面白い存在なのです。

彼女にはっきりと興味を持ったのは、YouTubeのアルゴリズム的なおすすめとして「エヴァンゲリオン」の対談動画が流れてきたことでした。
早速見てみると、あー顔は見たことあるなー、相手の男の人はロシアがウクライナに侵攻してからよく見る人だなー、くらいの印象でした。
要するにお二人について全然知らないのです。

動画が始まって二人が話しはじめました。
男性の方、小林悠さんもいつもニュース番組で見る堅苦しい雰囲気がなく、加えてどうやら二人とも顔見知りのようでとてもフランクに話が進んでいく。
そこで展開される、インテリの同士の、日本ドイツロシアという異文化間にまたがる、そして思春期や若かりし頃を思い出しながら語られるオタク話は、はっきり言ってとても面白かった。
とは言っても、まだ上の無料版しか見てないんですけどね。
いつか課金して完全版も見ます。

そんな勝手なご縁で一方的にマライ・メントラインさんに興味を持って、他にさぞ著書やコンテンツが多数あるのだろうと思いきやこれが全然ないのです…。
YouTubeでメントラインさんを見る事ができたのは数本だけ。
いやいや本は出してるだろうと思ってAmazonを開くと、監修した手帳?やドイツ語関連の辞書のような類のものしか出てこない。
あとは池上彰との共著。
そちらはそのうち買いたい。

今こっちはメントラインに飢えてんだよ!
と謎の飢餓感に襲われつつも、TwitterというかXというか、面倒なので基本Twitterで統一していきますが、Twitterを覗くとそこには生き生きと活動される姿が見れたので飢餓感は満たされホッとしたのでした。

他にはWEBコラムを結構連載されていて、その辺を読み漁るだけで当分はメントラインに飢えずにすみそうです。

この方のなにがそんなに面白い、というか興味を惹かれるかというと、それを一言で言うのは難しいのですが、ひとつにはドイツ人的目線と日本人的目線を同時に発揮できることでしょうか。
この人、完全にドイツ生まれドイツ育ちなのに、私より上手な日本語の文章を書きます。
これが頭の差ですか。
そしてステレオタイプ的なドイツ像を常に意識しつつ、反対にドイツ人にしかわからないネイティブなドイツ像を語ってくれます。
それだけならまだドイツ人ならそんくらいやって当然でしょと、謎の当たりの強さで押し切れそうですが、加えてこの人はネイティブな感覚の日本人像まで語れるのです。
いやー参った。

エヴァの動画に出てることからも分かるように、日本のオタク趣味に造詣が深い方で、私的にはそのオタク的観点から語られる話が面白くて好きです。
なんですかね、とても頭の良い人なのに、語り方の感覚がその辺のオタクと変わらない部分があるんですよね。
それは、ともすれば高いところから語りがちなインテリや知識人とは反対に、目線の低い一般人的な感性のなせる業でしょう。
そういうものは得ようとして得られるものではない。
そこに好感が持てるし、だから語られる言葉も面白く読めるのです。

この人を見ていて思うのは、この「インテリがするいちオタク的な立ち位置からの語り口」というのは、今までそれほど無かった案外大きな変化なのではないかということ。
昔ながらの知識人はサブカルチャー、特にアニメなんかと真面目に向き合うことを嫌う傾向にあると思います。
最近ではオタクがある程度市民権を持ったせいか、その傾向は減っている感じがしますが、でも世代的な「食わず嫌い」みたいなものはどうしようもないにせよ、ある程度上の世代になるとまだまだ馬鹿にする傾向はある。
もはや商業規模で言えばオタク文化はこと日本社会においては無視できない分野のはずです。
と言うつつも、私もオタク文化については手放しで歓迎しているわけではなく、多くのものは商業的で下らないと感じています。
その一方で独創的でクリエイティブなものが存在することも知っています。
映画も音楽も同じですよね。
その、「浅くないオタク文化」を語ってもらう事を、密かにこの人に期待しているのかもしれません。

要するにですね、人として好感が持てるというのが一番ハマっている原因なのです。
あと同世代だし。

最後にひとつ連載中のコラムのリンクを貼っておきます。
興味を持った方は読んでみてください。

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