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宇宙戦艦ヤマト 復活編 28

第8章 ユキとの取り引き(5)

3(承前)

 先ほどまでとは違い、大宇宙船から勢いよく砲弾が放たれる。
 ゴースターの死を恨んでいるのだろう。
 やはり、戦いは憎しみしか生み出さない。
 そんなことは百も承知だが、すべてはあとの祭りだった。
 やらなければ、こちらがやられてしまうのだ。
 古代は敵の攻撃を巧みによけ、再び大宇宙船内へと侵入した。
「ユキ、今行くぞ!」
 テレサの超能力で、ユキの居場所は見当がついている。
 〈ゴブリンの沼〉を通り抜け、次々と現れる敵の兵士を倒しつつ、古代は先を急いだ。
「ユキ!」

 古代の叫び声が耳に届く。
 ユキは大きく目を見開いた。
「また虫けらが侵入したようだな」
 ゴーステストが不敵な笑みを浮かべる。
「人の恋路を邪魔する者は死んでもらうしかない」
「古代君!」
 ユキは大声を張りあげた。
「ダメ、古代君! 逃げて!」

 ユキの声が聞こえた部屋へ古代は飛び込んだ。
 部屋の中央に設置されたベッドからユキが立ち上がる。
 古代はユキの手を取った。
「無事でよかった。さあ、今すぐ逃げよう」
 だが、ユキは古代の手を払い除けた。
「……ユキ?」
「ダメ。私はここに残るわ」
「ユキ、なにをいってるんだ?」
「ほお……彼女はユキという名前なのか」
 部屋の奥からマグネ星人が現れる。
「はじめまして。マグネ星最高指導者ゴーステストだ」
 古代に向かって、彼はそういった。

 カックーミサイル地球到達まであと四分。

つづく

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