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宇宙戦艦ヤマト 復活編 07

第3章 ゴーステスト(1)

 ひとりの青年が目を覚ました。
「ここは……どこだろう?」
 青年は記憶を探ろうとしたが、なにも思い出せない。
 自分の名前さえも。
「俺は……誰だ?」
 慌てて起き上がろうとしたが、
「ダメじゃ。まだ寝とったほうがええ」
 そばにいた老人が声をかけてきた。
 うまく焦点が合わず、老人の姿はぼんやりとしか見えない。
「ここは……どこです?」
「おぬしは宇宙カプセルの中で仮死状態になって宇宙空間を漂っておったのじゃ」
 老人は答えた。
「おぬしは腹にひどい傷を負っていてな。偶然、通りかかったわしが治療したんじゃ。傷はまだ完治していないから、下手に動かんほうがええぞ」
 ようやく周囲の景色がはっきりと見え始める。
 老人の肌は緑色だった。
 手を伸ばし、自分の肌の色を確認する。
 老人とは色が違っていた。
「……ここはどこなのですか?」
 青年はもう一度尋ねた。
「マグネ星じゃ」
 液体の入った小瓶を取り出しながら、老人が答える。
「俺はこの星の人間ではないのですね?」
「ああ、今はまだな」
「今はまだ?」
 青年は首をかしげた。どういうことかよくわからない。
「マグネ星の最高指導者ゴーステスト様が、つい先ほどお亡くなりになられた。恐ろしい伝染病にかかってしまったのじゃ」
「…………」
「ゴーステスト様がお亡くなりになったことが世間に知れたら、間違いなくクーデターが起こる。マグネ星の政権はめちゃくちゃになってしまうだろう」
 青年は疑問に思った。
 目の前の老人はなぜ、そんな話を異星人である俺にするのだろう?

 つづく  

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