宇宙戦艦ヤマト 復活編 24
第8章 ユキとの取り引き(1)
1
「ユキがいなくなったってどういうことだ?」
ヤマトへ戻った古代は、アナライザーから衝撃の報告を受けた。
「私ハ止メタノデスガ……」
アナライザーがしどろもどろで答える。
「皆サンノアトヲ追ッテ、こすもたいがーデ出撃シタ直後、敵ノ攻撃ヲ受ケテ……」
「そんな……」
頭を抱える古代にテレサが声をかけた。
「古代さん、大丈夫です。ユキさんは生きています」
「……そうなのか?」
「マグネ星人の大宇宙船内からユキさんの生命力を感じます。おそらく彼らに捕らえられたのではないかと」
「相原! ユキにコンタクトできるか?」
古代が声を荒げる。
相原は通信機を手に取ったが、すぐに首を横に振った。
「ダメです。ユキさんからの応答はありません」
「ユキ……」
古代はスクリーンに映る大宇宙船を睨みつけながら、これからの行動を必死で思案した。
2
暗闇の中でユキは目を覚ました。
「ここは……どこ?」
「気がついたようだな」
ユキのすぐそばから低くくぐもった男性の声が聞こえてくる。
次第に、目が闇に慣れてくると、その男が地球人とは異なった風貌であることがわかった。
「あなた……マグネ星人ね?」
「いかにも。私はマグネ星の最高指導者、ゴーステストだ」
ユキは起き上がろうとしたが、肩に感じた激痛に呻き声を漏らすことしかできない。
「無理をするな。まだ寝ていろ」
ゴーステストと名乗った男が言葉をかける。
ユキの右肩には包帯が巻かれていた。
「……あなたが治療してくれたの?」
「すまない。怪我をさせるつもりはなかった。地球の戦闘機があれほど脆いものとは思わなかったものだから」
ゴーステストはユキに向かって頭を下げた。
つづく
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