宇宙戦艦ヤマト 復活編 06
第2章 思いがけない再会(3)
2(承前)
「テレサに会いに行こう」
真田がいった。
「しかし……」
宇宙科学センターの所長が口をはさむ。
「この二十年間、地球は平和すぎた。現在、ワープ航法のできる船は地球上にひとつも存在しないが」
「いえ、あります!」
そう口にしたのは古代だった。
「宇宙戦艦ヤマトが」
「……え?」
全員の視線がヤマトに注がれる。
鉄屑同然だったヤマトはネオアルゴンの光を浴びて、二十年前の姿に戻っていた。
「ああ、確かに……この船があれば、どこへだって行ける……」
全員の顔色がぱっと明るくなる。
「ニューテレザート星へ向かおう!」
「沖田艦長を地球に連れて帰ろう!」
かつてのヤマト乗組員たちはおたがいの顔を見合い、そして力強くうなずいた。
そして、西暦2223年5月4日。
古代を艦長に据えて、ヤマトは宇宙へ旅立つこととなった。
3
「ゴーステスト様」
物々しい造りの扉が開き、ゴースターが現れる。
「どうした?」
指令室のもっとも高い位置にある豪勢なイスに座ったまま、マグネ星の最高指導者ゴーステストは尋ねた。
「地球から宇宙船が一隻、飛び立ちました」
「ああ、わかっている」
目の前の空間に現れたホロスコープビジョンをじっと見つめながら、ゴーステストはいった。
ビジョンにはヤマトの姿が映っている。
「我々にとっては取るに足らない戦艦だ。放っておけばいい」
ゴーステストはテーブルの上のワイングラスを手に取ると、琥珀色の液体を一気に飲み干し、勝ち誇った笑みを浮かべた。
つづく
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