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宇宙戦艦ヤマト 復活編 27

第8章 ユキとの取り引き(4)

 ユキを助けなければ。
 古代の心は揺れていた。
 カックーミサイルが地球に到着するまであと数分。
 古代たちが真っ先行なわななければならないことはカックーミサイルの爆破だ。
 わかっている。
 そんなことは痛いほどわかっているのだが……。
 古代は唇をかみしめた。

 俺はヤマトの艦長だ。
 私利私欲に流されてはいけないことくらい理解している。
 だが、たとえ地球が救われたとして、ユキのいない人生に果たして意味があるだろうか?

「行ってあげてください、古代さん!」
 テレサが叫んだ。
「今、ユキさんのビジョンが見えました」
「……え?」
「ユキさんは無事です。大宇宙船の中で、ゴーステスト……マグネ星の最高指導者と対峙しています」
 艦内が湧きたった。
「ゴーステストはカックーミサイルの自爆装置を持っています。あれさえ手に入れば、地球は救われるのではないでしょうか」
 もはや、迷う必要などなかった。
「ユキを助け出す!」
 古代は皆に背を向け、走り出そうとした。
「待て、古代!」
 真田の声が背中に届く。
 振り返った古代に、真田が銃を手渡した。
「これは……?」
 真田はその銃について簡潔に説明した。
「きっと役に立つはずだ。持っていけ」
 古代は力強く頷くと、ユキの待つ巨大宇宙船へと再び向かった。

つづく

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