宇宙戦艦ヤマト 復活編 27
第8章 ユキとの取り引き(4)
3
ユキを助けなければ。
古代の心は揺れていた。
カックーミサイルが地球に到着するまであと数分。
古代たちが真っ先行なわななければならないことはカックーミサイルの爆破だ。
わかっている。
そんなことは痛いほどわかっているのだが……。
古代は唇をかみしめた。
俺はヤマトの艦長だ。
私利私欲に流されてはいけないことくらい理解している。
だが、たとえ地球が救われたとして、ユキのいない人生に果たして意味があるだろうか?
「行ってあげてください、古代さん!」
テレサが叫んだ。
「今、ユキさんのビジョンが見えました」
「……え?」
「ユキさんは無事です。大宇宙船の中で、ゴーステスト……マグネ星の最高指導者と対峙しています」
艦内が湧きたった。
「ゴーステストはカックーミサイルの自爆装置を持っています。あれさえ手に入れば、地球は救われるのではないでしょうか」
もはや、迷う必要などなかった。
「ユキを助け出す!」
古代は皆に背を向け、走り出そうとした。
「待て、古代!」
真田の声が背中に届く。
振り返った古代に、真田が銃を手渡した。
「これは……?」
真田はその銃について簡潔に説明した。
「きっと役に立つはずだ。持っていけ」
古代は力強く頷くと、ユキの待つ巨大宇宙船へと再び向かった。
つづく
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