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《感想》アガサクリスティ著『そして誰もいなくなった』

アガサクリスティについて
おさらい

アガサクリスティは、1920年代から
1970年代まで活動していた作家さんで
この『そして誰もいなくなった』は
アガサクリスティの代表作の一つです。

影響を受けた(オマージュ)作品も多いようで、オマージュ作品から
この『そして誰もいなくなった』作品や
アガサクリスティを知ったよって方も
多いのかもしれませんね。


あらすじ

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…

『そして誰もいなくなった』あらすじより


感想

主な登場人物が十人
人物の属性も暴かれる過去の犯罪についてもさまざま。

その過去の犯罪一つ一つが別の作品で
なにかしらのエピソードに使えそうな
ほど。
1つの作品に詰め込むなんてもったいない気もする。

よくそんなにパターンを
思いつくものだと感心してしまいます。

そしてこのような立証不可能な犯罪って
実際にあってもおかしくないって思えて
きてしまうのも怖い…


感想(ネタバレ含む)

冷静に犯人の行動を考えてしまうと
殺人を詩の通りに実行したり、その都度
兵隊人形を減らしたりと、やるべき事が
多すぎて限られた時間の中で実行できる
のかなぁ って思ってしまう。

でも個人的には 

実行可能か? トリックとしてどう? 
ってことだけが最重要ではないと思っていて、
島に閉じ込められた彼ら彼女らが自身の罪と、死への恐怖に追い詰められていく過程

その全てに『そして誰もいなくなった』
作品の物語の良さがあるし、読む価値があるのだと思います。

また第16章の最後からエピローグにかけてがまた…
アガサクリスティに惑わされます。


初読時の本の島の名は
“インディアン”島でした

この『そして誰もいなくなった』の初読は80年代後半でした。たしかハヤカワ文庫で島の名前は(詩も人形も)  “兵隊” ではなくて “インディアン” だったので、再読する時はいまでも少し違和感があります。

本表紙の英語タイトルも現在の“And Then There Were None”ではなくて…

この件に関して詳しく調べていないのですが、途中で英語タイトル表記を変えたようですね。

今の時代においては以前のタイトルには問題があるのでしょうけど(アガサクリスティに差別的な意図など無かったはず)

でも『そして誰もいなくなった』作品の
良さは変わりませんよね


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