《感想》アガサ・クリスティー著『謎のクィン氏』/第八回「ヘレンの顔」
第八話「ヘレンの顔」です
アガサ・クリスティーについておさらい
アガサ・クリスティーは、1920年代から1970年代まで活動していた作家さん
『謎のクィン氏』は1930年発行の12篇をまとめた一冊です
人のいろいろな願いや思い、後悔などの声なき声
クィン氏とサタースウェイト氏は一風変わった手段で協力し問題を解決します
「ヘレンの顔」あらすじ
オペラハウスにてサタースウェイト氏は偶然クィン氏に出会い、自身が予約してある2階のボックス席に招待します
歌劇が始まる前、1階の観客席にギリシャ風ヘアスタイルの美しい髪の女性がいることに気付いていたサタースウェイト氏
振り向いた女性の顔を見て息を呑みます
“歴史を作る顔”だと
サタースウェイト氏はその美しさからトロイ戦争(またはトロイア戦争)の引き金になったという神話“トロイのヘレン”を連想したのです…
※トロイ戦争(またはトロイア戦争)そのものは実際あったという説もあるようです
「ヘレンの顔」感想
サタースウェイト氏が(昔の)若い女性との思い出を回想する場面が印象的
サタースウェイト氏の聞き上手な性格が出ているなと思って
“いい人”で終わってしまう哀しさも
「ヘレンの顔」感想(※ネタバレあり)
彼は好きだから歌手志望の彼女を応援してたのにって裏切られた気持ちだったのかな?
でも彼女は自分に才能がないことに気付いていて だから
その応援は彼の気持ちの押しつけになってしまってたんじゃないかな
彼女の気持ちに気付くことが出来てたら 仕事のパートナー以上になれたかもしれないのに
彼の用意周到な計画も
サタースウェイト氏が見事に阻止
サタースウェイト氏、翌日は筋肉痛になって辛かったのではないかと。これは勝手な想像です
用意周到:用意に手落ちがなく、すべてが整っていること。
「ヘレンの顔」作品の中の名所
普通にウェブ検索で出てきました
どちらも歴史ある名所のようです
1.ロイヤル・オペラ・ハウス
サタースウェイト氏とクィン氏がオペラを鑑賞した場所は“コヴェント・ガーデン”と明記されてたことから
ロンドンのコヴェント・ガーデン内にあるロイヤル・オペラ・ハウスだと思います
現在の建物は1858年に建て直されたもの。(前身は1732年に建てられたシアター・ロイヤル)
2.キュー・ガーデン(キュー王立植物園)
サタースウェイト氏の(昔の)若い女性との思い出の場所はロンドン南西部にあるキュー・ガーデン。
1759年に宮殿に併設された庭園で
1840年に植物園として開放され
2003年に世界遺産に登録
サタースウェイト氏の思い出の場所は
世界遺産でした
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