一億総ファシリテーター社会がくればいいのに。っていうのと稼ぎの話。
たまに「どうやったらファシリテーターになれるんですか」と聞かれることがあって、その時の一つの冗談的答えとしては
「ファシリテーターは別に資格があるわけではないので、いまから『私はファシリテーターです』と言ったらなれます」
となります。
「ま、『ライター』みたいなもんですね!」
と続けて、その2つを生業の一つにしている自分はなんてテキトーであやふやなもので稼いでいるんだろうと思ったりします。
私の話で行くと、ファシリテーションと出会ったのは2006年、拓殖大学の国際開発教育ファシリテーター養成講座という1年間のプログラムに参加して基礎を身につけ、その後2011年に現在の私のスタイルの主であるホールシステムアプローチの「対話型」の場に出会い、それにモノスゴク可能性を感じて、いろいろと場数を踏んでいるうちに今のようになりました。
前述した「国際開発教育ファシリテーター養成講座」ですが、私は「ファシリテーター」という言葉ではなく「開発教育」というキーワードに引っかかって本プログラムを受講しています。子どものころから世界平和についていろいろと考えて育った私は、大学時代に開発教育(国際問題や世界の貧困、多文化共生などを体験型で学ぶ教育)のプログラム開発と運営実施などをやっていたからです。(という点では、私は大学時代からファシリテーターだったとも言えますね。そんな横文字を知らなかっただけで)
「ファシリテーター」という職種にアヤフヤ感があったり、何ならプロのファシリテーターの一部は「なんか、ファシリテーターってあんま名乗りたくないんだよね」ということもあるのは、こんなことが起因するんだと思います。
「ファシリテーターをやりたいってわけじゃないんだよね」
世のファシリテーターはこんな風に分類されます。
・ファシリテーションで稼ぐ人と稼がない人
・ファシリテーションがやりたくてやってる人とそうでもない人
いや、あえて言い直そう。
すべての人類は、
プロのファシリテーターか、
ただのファシリテーターかのどちらかなのだ
はい、「は?」という反応ありがとうございます。
まあ、人類全員ファシリテーターになったらいいなーってだけの話でした。
一億総ファシリテーター社会が来たら、人々はこの4象限のいずれかに入ることになります(オイw)。大きくは「プロ」かそうでないか、に分かれるんですね。
プロのファシリテーターと名乗っていけるのは色がついている人たちでしょう。ちなみに「ファシリテーターだけで喰ってる人」っていうのはおそらく日本の中で10人もいないんじゃないでしょうかね。
AB象限の人は何人くらいいるか分かりませんが、時々やるとかちょっとやるとかではなく「ファシリテーターという仕事が収入源の一部」となっている人は(色の濃い目から中間くらいの人)おそらく日本では100人もいないと思います(なんの統計もありません感覚ですすいません)。
私自身は上記でいくとBに当たります。ただ「自分のやりたいことの手段」としてだけではなく、クライアントの目的に寄り添って仕事を請けることも多々あるので、ABの間くらいに位置していると思います。
そして、Bの方はけっこう多いです。自分が成し遂げたいことや創りたい未来に向けて一つの手段としてのファシリテーション。
ファシリテーションって、英語みたいなものだとよくお話しします。
みんなできたほうがいいんですよ。これからの社会で。
会社で英語できる人が増えるといろいろといいように、ファシリテーションできる人が増えるといろいろいいんです。
日常の会議とかは「ファシリテーションできるよー」っていうCの人たちがやるといいなと。で、経営戦略とか新規事業開発とか市民対話の場とか、参加者が多様でテーマの複雑性が高かったり、難易度の高いものはプロのファシリテーターに依頼したらいいんだと。
英語でいくと、日常のやりとりや営業は全員できるけど、難易度の高い交渉や契約にまつわる部分はきちんと通訳を依頼するっていうイメージです。
ということで、来年は新しい仕事はほぼ請けない予定ですが、再来年からはまた請けていきますので、ファシリテーターとしてのご用命があればおっしゃってください。
あ、「プロ」の重要な要素としてあるのは「営業力」だよね、ということを研修講師の先輩…というか、私が契約している会社の社長さんがおっしゃっていました。
これはファシリテーターに限らず、講師業でもライターでも通訳でも同じです。まったくもってその通りだと思います。
いくらスキルがあっても
それを売ることができないと稼げないんですよ(爆)
「スキルがあったら向こうから仕事がやってくる?」
そんなの、ほんとうにほんとうにほんとうに一握りの人間だけですよ。
こちらのnoteは、毎年恒例ガオリュウさんの「ファシリテーターアドベントカレンダー」に向けて寄稿です。
ちなみに昨年は
「新月の闇の中で、光が生まれるのをじっくり待つ」
2015年には
「旅のみやげに虫刺され。新月のよるに掻きむしる」
そうなんですよ。いつも、「新月」狙いなんです。
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