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書籍紹介。鷲田清一『モードの迷宮』ちくま学芸文庫。

鷲田清一『モードの迷宮』ちくま学芸文庫。読了。

おすすめ度4
難易度4

ファッションの世界では様々なモードが生まれては、消え、生まれては、消え、絶えず生成変化を繰り返してきた。

だが、その変化は「わたし」という曖昧で脆い存在の周りで起こってきた。

どうもモードの変化は自由自在なものではないらしい。

どうもわたしがどう<わたし>をファッションを通して他者に「見られる」かを意識するのと、どう他者が「見る」わたしを意識するのかの交錯の中にモードの変化を読み解く鍵があるようだ。

これは人間が思っているほど自分のことを分かっていなくて、捉えていないという弱き存在であるところとも関わってくることだろう。

モード論をロラン・バルトから、人間の弱さをパスカルから、その他主にフランスの思想から、自分の論を展開する鷲田の文章は決して読みやすいものではないだろうが、軽快なノリから紡がれる文章は人間の弱さゆえに埋め合わさずにはいられないモードという問いへと読者を誘い込むだろう。

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