コロナ禍の今、公務員ってどうなの?

はじめに

 新型コロナウイルスの影響から、かつてないほどの経済危機を迎えている現在、公務員の安定性が注目を浴びています。
 では、公務員が本当にいいのか?今の時期、公務員に転職するメリットや
デメリットを、地方公務員の昇給システムに沿って回答します。
 なお、記事の内容は現役公務員である筆者の体験談が中心となっています。

今、公務員に転職/就職するメリットがある人

 まず、公務員に転職したい人で、転職するメリットがある人については、
  ・新卒または30~40代である。
  ・現在と比較して給与の向上が見られる。
  ・強い資格がある。
  ・ワークライフバランスは気にしなくても良い。
  ・県内のどこに配属となっても問題ない。

 以上の5点に当てはまる方になります。
 
 順を追って説明すると、まず公務員は全体的に人手不足です。最近の就活生や若者には、「公務員は終わっている」「公務員が安泰は嘘」という情報が伝わっているため年々人気も落ち、希望部署によっては定員割れしているという実態があります。
 そのため、まずは新卒の学生にはとても入りやすい状況になっています。それに加え、かつての就職氷河期時代の30~40代くらいの世代も非常に足りていないため、とても需要があります。
 次に、強い資格があるという条件は、技術職を希望する人に該当します。公務員全般で、技術職ではある程度上級の資格がないと課長以上になれないという裏人事も存在します。逆に、強い資格があり、かつ30代~40代であれば、人材不足の針の穴を縫うようにスイスイと昇給・昇格できます。
 ただし、地方公務員になる以上は大きなデメリットもあります。
 先ほども記述した通り、かなりの人手不足なうえ、なぜか中途採用の職員には初めからキツい部署が割り当てられることが多いです。そのため、例え家庭を持っている人でも帰宅時間は21時を超えないとできないというケースはよく見られます。
 それに加え、特に地方では車社会なため、物理的に通勤可能であれば車で1時間~1時間半の範囲に配属されることもあります。
 ひとつ前の残業も踏まえると、ワークライフバランスというものは保てないと覚悟したほうが良いです。
 しかし、上記の負担はあるものの、給与面ではとても安定しています。民間水準と比較し、民間較差が無いような給与及びボーナスも年2回計4.5か月分支給されます。これはコロナ禍や災害によっての影響も受けません。

では、公務員になるデメリットは?

 メリットの項目でも割とデメリットに関する内容に触れてしまいましたが、こういう人はやめておけというデメリットの項目を記述しておきます。
  ・事務職で転職をしたいという人
  ・公務員という人間環境に耐えられる人
  ・公務員がホワイトと思っている人
  ・ワークライフバランスが無いということ

 以上の3点です。

  まず、事務職で公務員に転職したい人は、ほとんどの場合後悔している人が多いです。なぜかというと、①あまりにも体たらくな事務で、②無能な上司ばかりで、③相も変わらず年功序列だからです。
  地方公務員の事務職というのは、財政から建設、福祉、教育等様々で、よく言えば異動が毎回転職の様で色々な仕事に携われるということです。逆を返すと、ほとんどの分野にスペシャリストが居ないため、課長や係長クラスで異動してきた人がその部署について新人同様の知識しかないのが実態です。民間企業を見ていると、離職率は高いものの、やはり経験を積めばそれなりなスキルが身についています。
 また、かなり古いシステムを使っている上、やっとタブレットが数基導入されたレベルです。それもそのはずで、導入を決定するのは50代~60代の機会に不慣れな世代のため、なかなかIT化が進んでいません。筆者の部署にもデジタル決裁と言って、パソコンで資料を回して決済手続きをとるシステムがあるのですが、上司たちがそれを使えないがためにすべて紙出力して紙にハンコをついてもらっています。
 さらに、公務員の人材が良くない理由としては、公務員とは良くも悪くも解雇になりません。係長クラス(統括担当)ですら年間2か月以上精神疾患(鬱)という理由で休む人がなれるポジションです。
 もちろん昇進は遅くなりますが、犯罪をしない限りは解雇にならないので3か月おきに鬱でいなくなる人もいずれは昇進していきます。
 
 上記の理由はあくまで地方公務員の一例です。(半分以上そうですが…)

 最後に説明する「公務員=ホワイト=ワークライフバランス」と思っている人はかなり注意してください。
  公務員は、平気で残業22時まであります。忙しすぎる人はこっそり休日出勤をします。また、残業代についても、予定がある(休日の住民対応等)場合でなければ基本的に出ません。また、部署によっては正当な超過勤務でも予算不足を理由に超過勤務手当が出ない場合もあります。
  もちろん労働組合が訴えているのですが、なかなか素直に改善されないのが公務員の現状です。

まとめ

 長くなりましたが、公務員はコロナ禍でおススメかどうかといわれると、
もう災害や疫病時に解雇にあいたくないという人にはお勧めです。
 ただし、何度も言う通りデメリットが多く、自己犠牲を覚悟する必要があります。
  住民のため、社会の歯車を回すため身を削っているということを認識して転職を検討していただければと思います。

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