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<縁は異なもの粋なもの?>Don’t think! Feel JAZZ! 第一回 「ららら前線 上陸!」

※黒田ナオコ過去コラム公開 2017年4月号のひろたりあん新聞掲載

<以下本文>

ひろたりあん通信の新コラム担当になった。さっそく私はひとり石垣島へ飛んだ。さあ、海を見ながら澄んだ心で原稿を書こうじゃないか!
まあそんな遊び要素満載な南の島で、仕事できる訳ないですけれどね。
という訳で、帰りの飛行機で書いている(汗)

アカデミー賞を色々と騒がせた映画『ララランド』を観た。
売れないジャズピアニストと女優の卵の純ラブストーリーでミュージカル仕立て。聞いただけでもライトな設定。しかし、売れないジャズピアニストという言葉は、十分に私のアンテナに引っかかる。ジャズの枕詞のような「売れない」という文字。それだけでもムカッと、いや、興味深々。

ご存じの通り、サントラ盤も売れに売れ、主題歌もヒットチャート。
監督は前作もジャズを題材としたスパルタ映画『セッション』を制作したデイミアン・チャゼル。
彼はジャズドラムで一時ミュージシャンを目指した。ハーバード大学で映画制作を学び卒業。
現在32歳。関係ないがバツイチ。

超話題作品なのだが、日本国内のジャズ専門家(という言葉は好まないが、主に評論家やプレイヤー達)には、すこぶる不評だ。
監督はジャズを分かっていない、というのがほぼ共通のご意見。

そう、ジャズって、もっと奥深いの。難しいの。軽くないの。その辺のオコチャマには簡単には理解できない、だって僕たちは何十年もこの道一筋に命かけているんだから!
そうでしょう、そうでしょう、ジャズ専のお怒りごもっとも。

私が観た限りでも、作品にいわゆるジャズ要素って薄い。ジャズに関するセリフ内容も浅いし、主題歌はスイングアレンジではあるがミュージカルポップだし、挿入曲もムード音楽っぽいし、覚えやすい旋律でひねりのない切ない系メロディ。

しかし、難しいことナシで楽しんじゃおう。映画が終わったら、ついついあの曲を口ずさんじゃう。ラララー♪そうこれがララランド現象(笑)

チャゼル監督がジャズプレイヤーを題材にした二作品が、続けて世界的ヒットとなり、ジャズプレイヤーが世の中に存在しているんだよ、っていうことを分かりやすくエンターテイメントにしてくれていることは、今のジャズ界にとっては非常に意味があるはずだ。

私自身「ジャズを歌います」って言っても、あまりピンときてもらえないこともしばしば。
ふーん…(興味もないし知らないし)とスルーされることも多いし、ジャズ?ハワイアンみたいなの?どんなの?チャチャチャ―ンって感じ?と変なダンスを踊られたこともある。

だから、『ララランド』を観て、ジャズの存在がちょっと気になってくれたらいいな、と思う。難しそうなジャズをかみ砕いて、かみ砕きすぎちゃって、結果こんな映画だよ、楽しいでしょ?って呼びかけてくれているようで有難い存在だ。

さて、ここまで書いて羽田からバスで帰路へ。隣席の女子大生風のふたりが、「ララランド観たしね、次何観る?」とタイムリーすぎるタイミングで言っているではないか!それでいいのだ!
今、世の中にジャズを演奏して生きている人たちがいるのだよ。それをどうかどうか分かってね。と彼女たちに心の中で呟いた。これからまたジャズがくるよ!とね(笑)

END

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                       ※挿絵はRIO(娘)当時13歳




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