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「SaaSトップランナー、cybozuのカスタマーサクセスを徹底解剖」セミナーレポート

7月29日開催の「SaaSトップランナー、cybozuのカスタマーサクセスを徹底解剖」へ参加させていただきました。

■登壇者様


・サイボウズ株式会社 カスタマーサクセス部:大脇一起 様


■kintoneについて


プログラミング不要なファストシステム(aPaaS)
・従来の業務システム
プログラミング&専門知識

・kintoneについて
ドラッグ&ドロップ
ノンプラグラミングでデータベースを作ることができるのがkintoneの強み


■kintoneコミュニティの歴史について

・2018年3月時点では、開発の方向けのコミュニティが多かった
・2020年7月時点では、ユーザコミュニティが増加していった
開発者層→一般層へのユーザ層拡大に伴い「カスタマーサクセス」の必要性が高まってきた

Phase1:ハイタッチ&オンボーディングの強化・注力

Phase2:活用支援セミナーやWebコンテンツなど、1:Nチャネルの整備

Phase3:Expantionの強化 コミュニティの育成 活用事例の発信

Phase4:Phase3の役割分担 組織や目標の再定義 データ活用の促進

kintoneは顧客数15,000社以上の状態からのCS立ち上げのため、
Phase1~4を同時に立ち上げ開始

■カスタマーサクセスの役割について


カスタマーサクセスは「定着」と「パス出し」にコミット(一部「拡大」にもコミット)

→ 事例(プロモにパス)
契約 → 定着 → 拡大/SI(営業にパス)
→ 発信交流(コミュニティチームにパス)

※当初、50U利用を目指して5Uでスモールスタートしたユーザを無事サクセスさせた場合などは、
CSの対応範囲でユーザ追加やコースのアップグレードなどExpantionにつながる可能性がある

▼サイボウズさんはサポートが厚い印象


知見やノウハウはある認識だが、そのナレッジをサクセスに転用できる?
→正直サクセス部門立ち上げまでサポートと他部門の連携はあんまりなかった

▼パス出しの定量目標はある?
→現状はないので、発生都度にする
連携についてはkintoneを使って実施している

■カスタマーサクセスの施策について


ハイタッチ~テックタッチの施策を相互に循環させることで、
「定着」支援における"深さ"と"広さ"の両立を目指す

相互に循環するように、例えばハイタッチのエッセンスを広げていくようなイメージ
ワークショップやセミナーの参加者で、危険信号が出ている方などをハイタッチに回す

▲ハイタッチ -個別-
狭く深い対応、個別のニーズに柔軟に対応、高度なテクニカルスキルも必要
・個別支援(Web/対面)
・カスタマーサクセスコール
・イベント参加者フォロー・・・etc

↓コンテンツにフィードバック ↑渡す

▲ロータッチ施策 -集団-
やや広く、一般的に内容を丁寧に説明
・活用支援セミナー
・ワークショップ/イベント・・・etc

↓コンテンツにフィードバック ↑誘導する

▲テックタッチ -メール・web・郵送-
広く、一般的な内容を、プッシュで
・郵送コンテンツ
・ユーザ向け自動配信メール
・ヘルプサイト・・・etc

■活用定着について

時系列にすると、初期段階では学習コストなどがかかるため、そこに解約リスクが顕在する
逆にそのフェーズを超えると進めば進むだけメリットがある
初期段階がマイナスになるため、マイナスの期間を短くするための支援をカスサクで行う

解約リスク大
【kintone導入コスト > メリット】のフェーズ
・学習コスト
・アプリ構築コスト
・社内浸透コスト
・ライセンスコスト
・業務フロー整理コスト
・etc

【kintone導入コスト < メリット】のフェーズ
・作業効率UP
・管理コスト削減
・ミスやトラブルの削減
・残業削減
・情報共有が進んだ
・etc

▼コンテンツについて
kintoneはwebに情報がとてもある印象、テックタッチが充実している
リテラシーが高い方については、調べればいいというスタンスでできるようになる

▼オンボーディングの期間について
現状サイボウズさんでは、学習コストがかかるオンボーディングの期間は決め切れていない
学習コストがかからなくなる転換点はある?
→今は個別に定性的にみている

▼kintoneを定性的に使えている指標
→例えば
①10ID契約、10ID利用など
②使いたいアプリ作れている
③業務が滞りなく進んでいるなど

▼お客様とのやり取りはどういうことをされている?
①電話をかける
②web会議ツールでお客様画面でアプリを作成するところを見てみる

■アプローチでやるべきこと
コスト > メリットの期間を短くし、いかに早くkintone導入のメリットを
感じてもらえるようにするか

Time to first valueの追求

■オンボーディングまでのフェーズ定義と施策配置について
①製品理解
②アプリデザイン
③社内浸透
④効果実感

・PUSH型
コールセンターを活用したCSコール(3~4w)
CSMの個別支援(Web/対面)

・PULL型
活用支援セミナー
テクニカルサポート

■コールセンターを活用したCSコールについて


・契約1か月目のユーザをアクセスログからグルーピング
※アプリ作成数、アクセス数、ユーザ登録数、問い合わせ数などからランク付け

・活用度が高いユーザ以外にプッシュコール実施
1月~6月の対象:738件
うち接触件数 :220件

・継続支援が必要なユーザをCSMにパス
継続支援:32件
対応回数:67回

コールセンターのスキル管理について
→電話音源を聞いてどういう部分が良かったなどを確認し、それをベースにサクセスに活かす
同席をさせていただいて、対応を見させてもらったりして管理している、みんなでどうスキルアップするか相談などをしている

■活用支援セミナーについて


1月~6月で3種類のセミナーを全7回開催し、計610人が参加
・ハンズオン
・基本機能理解セミナー
・業務棚卸セミナー

アンケート結果をもとに参加者にフォローコール(対象の70%に通電)

継続支援が必要なユーザをCSMが対応(48%が支援を希望)

▼コンテンツ(テックタッチ)
顧客状況に合わせてコンテンツを配信
・月一メルマガ(ダイレクトマーケティング)
・サンクスレター(ダイレクトマーケティング)
→実際の紙物のマニュアルなどをお客様へ送付
内容はご契約ありがとうございますというメッセージや
迷ったときどこを見ればよいかなどのカスタマーサポートのロードマップ
対象:全顧客
・ヘルプチーム(開発チーム)
・kintone MAGAZINE(プロモチーム)
双方向の連携を大事にしているとのころ

▼コミュニティ&ユーザイベント
・kintone hive/AWARD
・kintone Evangelist(現在20名)
・kintone Cafe
・キンスキ.com
・オンラインコミュニティも準備中

■今後の課題について


・社内浸透フェーズへの支援/施策の拡張
→社内浸透に困っているユーザが多く、解約理由としても高い割合を占めているため支援/施策を強化したい
・「ヘルススコア」のブラッシュアップ
→アクセスログやイベント参加数などをヘルススコア化し、施策の効果検証やKPIの設定に繋げたい
・人員体制の拡大
→事業フェーズ(顧客数)に対してまだまだCS人員が足りず、支援しきれていないユーザやカバーできていない施策の余白がある

■ヘルススコア設計について


各施策の活動:CSコール、活用支援セミナー、個別Web対応、etc

ヘルススコア(短期指標)
【活用度】:ログイン率、アプリ管理操作数、レコード登録数、etc
【行動力】:セミナー参加回数、メールクリック数、テクサポ問い合わせ数、ヘルプページ閲覧、etc
【浸透度】:ユーザ登録数、tracking cookie数、etc

KGI(中長期指標)
解約率NRR

【Q&A】


ヘルススコア作るところで困っていることってある?
→どれぐらいしっかり作りこんだ方がいいのか
分析しようとすると、きりがない
ゴールがないといつまでも終わらないので、議論する必要があるとのこと

従業員数とユーザ数のギャップが多いところは、アップセルを望めるかという感じ
そこはセールスからの引継ぎになる

セールスから個別でしっかり引き継いでいるわけではなく
契約したらサクセスがやるというスタンスになっている

今CSは何人?
→10~15人(コールセンター除く)

■全体を通しての個人的なまとめ


2020年1月から、カスタマーサクセス部門の立ち上げて
その中での活動内容であったり、指標など様々な観点でお話を伺うことができました。

個人的に感じた印象は、社内のカスタマーサクセス部門だけで何かを行っているというより
カスタマーサクセス部門がハブになって、相乗を生むことでいろいろな部門との懸け橋になっていると感じました。

コンテンツではマーケティング部門との連携、ヘルプサイトでは開発部門との連携、
セミナーや活用支援におけるアップセルについては営業部門との連携など
お互いがお互いに良い相乗効果があるのは、とても良い取り組みなのかなと感じました。

自社に置き換えても、各部門との連携を強化することで、お客様に対してよい活動ができると思うので
今後もその部分を考慮して、活動していければと思います。

ご覧いただきまして、ありがとうございました。

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