桜まつりと小倉城武将隊①
小倉城武将隊。
昨年十月に結成された小倉城のエンターテイメント集団、その内容はずばり「演劇」。経験豊富な役者たちと本格的な殺陣で織り成す舞台は、歴史を面白く、そして分かりやすく伝えてくれる素敵な作品と仕上がっていました!(写真キャプションにおける<>には役柄、役者名を記載。恐れながら敬称略とさせていただきます。)
さて、令和5年の小倉城桜まつり。イベントステージで、小倉城武将隊が作り上げる「小倉城ものがたり」の第二弾が公演となりました。その名も「武蔵・小次郎編」。結成当時の第一弾では関ヶ原の戦いから小倉城築城までを描き、歴史をエンタメに昇華した素晴らしい舞台を見せてくれましたが、今回はそれより少し時代が下った「小倉の話」をしてくれました。
それが、宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘。世に「巌流島の決闘」として知られる剣豪二人の戦いの真実とはなんだったのか? そこにどう小倉の歴史を絡めてくるのか? 公開前から楽しみで仕方ありませんでした。
公演は二日間の計四回。一番の目的でしたから、四回フルで観劇させていただきましたが! 今回も「そうきたか!」と頷く物語性、短い時間の中で際立たせるキャラクター作り、史実と世に伝わる創作を交えつつも、小倉城武将隊独自の解釈をきちんと入れていらっしゃいました。脚本を書き上げるまでに、大変悩まれたのではないかと推察いたします。
だってもう「武蔵VS小次郎」がエンタメとして、すでにできあがってるんだもの。
巌流島の決闘は江戸中期頃から創作として成立したと見られ、歌舞伎、錦絵、人形浄瑠璃などさまざまな媒体で広まったようです。そりゃ、みんな好きだよ。最強剣豪二人の対決って聞くだけでワクワクする。悟空とベジータの対決がやっぱ面白いもん。それを新しく創作するというだけで、本当に大変なことと思います。
出来上がってきた作品は、今回も本当に面白かった。感動もあり、笑いもあり、最後はうるっとくる場面もあった。ただ面白いだけじゃなく、ただ歴史をなぞるだけでもない。これは私の勝手な想像にすぎませんが、今ある、小倉城武将隊のメンバーだから演じられる作品を描いたのではないでしょうか。どうやったらとっつきにくい歴史を楽しんでもらえるか、どうやったら地元の人(この場合、小倉の)に興味を持ってもらえるか。そうした部分に配慮して、皆さんで考えて演じられたのだと思います。
座長の大神さん(役:細川忠興)は繰り返し「地元の人に知ってもらいたい」とおっしゃっています。どこでもそうだと思うけど、自分が住んでいる場所ほど、知らないことって多いと思う。自慢できることが少ないと考えてしまう。日本人の性質なのかもしれないけど、自分のテリトリーのことって滅多に褒めたりしないから、余計に。私はよそ者だから、素晴らしいものが残されている土地とそこの歴史が語れるのは、とっても素敵なことだと思う。今はピンとこなくても、いつか自分の生まれ育った場所を振り返った時に「なかなかイカしてた場所じゃないか」と思えるかもしれない。そういった土壌を作るきっかけになるんじゃないかな。これは小倉城武将隊だけじゃなくて、どこの地域の、どんな団体さんでも、何かを伝えていこうとしている人は、みんなそうだと思います。
私も実家を遠く離れてからやっと、生まれ育った地元がいい場所だったなと思うようになりました。面白い歴史だってたくさんあったはず。出てくる前は全然目を向けなかったんですよね、隣の芝生のほうが青い現象。でも今だったら、きっと帰っても「うちの地元ここがめっちゃいいよ!」といえる場所がたくさんあると思う。たくさん紹介することもできると思う。いつか戻る時、そうしたことを作っていける人に私もなりたいな。余談。
小倉城武将隊による「小倉城ものがたり~武蔵・小次郎編~」はyoutubeにアップしてくださっている方がいるので、今のところ全編見ることが可能です! 少しでも興味を持ってくださった方は、是非ご覧ください!
改めて、今回も素敵な舞台をありがとうございました!
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