「ひとりメーカー」はむずかしい? 夢をあきらめないためのアプローチ
2010年代におきた「メーカームーブメント」からはじまる「ひとりメーカー」という言葉を聞いたことがありますか?
「メーカー」ときくと、大規模な工場と多くの従業員を想像するかもしれませんが、「ひとり」? 「ひとりメーカー」は、ひとりで(もしくは”少人数で”)モノづくりを行うスタイルを指します。
私自身も 「ひとりメーカー」として商品を展開し販売して10年以上たちました。そこで、ひとりでメーカーするには…を、私の経験からまとめてみました。
私は、モノをデザインするデザイナーとして、これまで多くのプロジェクトで製品を手掛けてきました。しかし、実際に、メーカーになって販売までたずさわると初めての経験ばかり!!! タフな状況もありました。
でも、続けてみてわかることは、個人で製造業を始めることは決して無理ではなく、むしろ今の状況は、はじめた10年ほど前より、可能性に満ちていると感じています。
「何のためにやっているのか」というミッションがあればこそ!
ひとりメーカーを10年以上つづけてきていて、一番大切にしているのは「何のためにこの事業をするのか」というミッションです。
私は、子どもの創造力と想像力をはぐくみたい! というミッションでさまざまな活動をしています。
このミッションを持って、「続ける」ことができるかどうかが、成功と失敗の分岐点だと思っています。
事業として単発であっても「目標」を定めて、それに向かったプロセスをくむ。「何のために」が事業の根幹です。
1人で始めるためのステップ
まず最初に知っておきたいのは、製品を企画し、市場に出すまでの大きな流れです。
どんなに小さなプロジェクトでも、大規模な企業のプロジェクトでも、この基本的な流れは変わりません。
なぜ、このプロジェクトをはじめるのか。企画とアイデアを考える
まず、自分の想いや社会に提供したい価値をまとめます。また、頭の中に浮かんだアイデアをまとめる段階です。デザイン&設計
企画やアイデアから、最初の試作品(プロトタイプ)を作るために、どのデザインが実現可能か、試行錯誤を繰り返します。
技術的な制約やコストを考慮しながら進めることが大切です。試作とブラッシュアップ
試作品を作成し、その製品が持つべき性能や市場ニーズを満たしているか調査をし、市場にだすために必要な性能、基準をまもれているかを検証します。
「量産」するための課題点を見つけ、解決策を考える段階です。販売チャネルの確保と販売体制を考える
商品化するめどがたち、販売に向けた準備が整ったら、次は販路の確保です。
オンラインショップ、クラウドファンドなど活用、また、SNSを活用して商品を広める戦略もあります。展示会に出展して広くアピールする方法もあります。商品の種類によってどの方法で発表していくかを計画、実施していきます。
また、
1人で運営する際、時間や労力を節約するために商品を届ける方法場合によっては、物流代行のサービス利用の検討が必要です。
アイデアを形にするために
アイデアは一瞬で生まれるものではありません。日常生活の中で感じる「小さな不満」やこうあったらいいのになどの「願い」をストックしておくことで、アイデアの種となります。
私も常に生活の中で感じた課題や技術の進歩をメモしておき、それを形にすることを心がけています。
価値とコストを意識しながらも、想いを追求する
製品を試作し、量産する段階では「想い」を追求しながらも、コストをどう意識するかが重要です。
だれにどのような価値を提供したいと思って開発しているのか。
よりラグジュアリーな体験を提供したいのか、それともコスト感を第一にしたいのか。この掛け違いをしてしまうと、「商品」の魅力が半減してしまいます。
さじ加減がむずかしいところではあります。
量産化に向けた準備
プロトタイプが完成したら、次は量産化の準備です。ここで大切なのは、製品が一定の品質を保つための検証プロセスです。自前で環境を整えるのが難しい場合、各地にある産業技術センターを利用することを強くお勧めします。個人では難しい品質管理や検証も、これらのサポートを活用すれば解決策が見つかることが多いです。
製造先を見つけることも難しいと、ご相談をうけることもあります。
資金調達と販路の開拓
製品を量産するには資金が必要です。クラウドファンディングを活用して資金調達を行うことも一つの手段です。試作品やプロトタイプをWeb上で公開し、製品の将来性をプレゼンすることで、支援者からの資金を得られる可能性があります。
また、販路の開拓も同時に進めるべき重要なステップです。オンラインでの販売を基本としながら、徐々に市場を拡大していくことが求められます。
おわりに
少人数で製造業を営むことは、確かに簡単ではありません。
しかし、製品の企画から販売までのプロセスを理解し、着実に進めていけば、夢を現実にすることは十分に可能です。
私自身も、これまでの経験を通じて、何度も新しい挑戦を続けてきました。もし、あなたが自分のアイデアや技術、想いに自信を持っているなら、ぜひその一歩を踏み出してほしいです。
って書いていますが…まだまだ継続中の事業!
伝えるってむずかしい! 知っていただくってむずかしい!といいながらシリコーン知育玩具ノシリスをつくり販売しつづけています!
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