見出し画像

「子どもがいてクリエイティブな仕事は続けられますか?」の問いへの答え

「子どもがいて、クリエイティブな仕事はつづけられますか?」
昨年末に、大学2年生(女子)からインタビューをうけたときに聞かれた質問。一瞬くちごもってしまいました。
このインタビューは、働いている社会人に働く事についてインタビューを行い、それを冊子に纏めるという課題。で、私が教えにいっている京都造形芸術大学の学生さんから出た質問でした。

なぜ口ごもってしまったのか

いろんなことをインタビューできかれました。
デザインをするときに大切にしていること
好きなモノはなんですか? そのモノのどこが好き?
仕事での苦労 などなど…

デザインに対する考え方や仕事(ワーク)の進め方などを聞かれても、「私の考え」を答えられるのですが、
「子どもがいても、クリエイティブな仕事はつづけられますか?」
この質問は「答え方が難しい」という感じました。
だって…どう思って聞かれたのかが…わからなかったから…

そして…

若い、まだ社会にも出ていない、
そして、結婚もしていない彼女が、いまから「続けられるか」を気にしていることに、とてもショックを受けました。
そう、きっときっと、いろいろなことをニュースできいたり知ったり。
結婚して子供ができての両立ってどうなんだろう。とか…。
考えていたんだろう…。な。そして、質問項目に追加したんだろうな…。
って。

楽しいよ! 時間ないけど、子どもがいても仕事はつづけられるよ! って社会が伝えてないんだなー。って…
そりゃ、少子化になるわな(笑)


で、……
私は、こんなふうに答えました。

「仕事は続けられます」←続けましたかな…。

つづけられます。いえ、続けました。が正解かもしれません。

でも、一人では難しいです。
働き方改革が進んでいますが、時間的な制約やしなければならないこと、そして、私がしなければならないこと。が、子どもがいて増えます。
忙しいです。

夜に素敵な勉強会があっても…「うっ いけない。」と思うことも。
お迎えの時間がーー!!!とセミナー会場をこっそり抜け出したことが何回あったか…。
会議が長引いて、電話をしながら駅までダッシュしたことも。
保育園からの電話とか、マジ、青ざめます。

夫、両親、義両親もまきこんで、そして、サポートも支援もお願いしました。保育園のこと、行政のシステムもいっぱい調べて活用しました。
子どもたちが大きくなって、今、小1、中1になりましたが、まだまだ、仕事だけ…とはいきません。
家の中は、「鶴の恩返し」のように 見てはならぬ。 という状態です。
洗濯物は芋ほり状態で探したり(笑)
泥棒がはいった? みたいな状況になっていることも…正直あります。

続けられます。
あと、子どもはおもしろいです。楽しいです。(でも、忙しいです。)
つづける気持ちと環境があれば続けたほうがいいです。

でも、もし自分が続けられない。とおもったら
一端 お休みしてもいいとおもいます。
子どもが小さいときに、仕事としてのデザインができなかったとしても、
仕事としてのデザインをやめてしまったとしても、デザインの勉強をしたことはぜんぜん無駄にはなりません。
日常生活の中でとても役にたちます。
絵をかくとか、子どもに、むっちゃ尊敬されます(笑)

経験は宝です。

「インプットはどうしてるんですか?」と問いが来ました。

展示会を見に行ったり、いろんな人と交流したり、勉強会に参加したりには時間的な制約がつくけれど、子どもを通じてのインプットが増えます。子どもを通じて自分の思い込みに気づきます。

クリエイティブな仕事にとって、経験は宝です。
どんな小さなことでも、経験したことがあるのと、ないのでは、そのモノをつかったシーンが「自分ごと」として考えられます。小さな配慮や心遣いができるのは、経験したことがあるから。だとおもいます。

具体的な話でいうと…
子どもの仕切り皿 をデザインしたとき
仕切りの裏側の凹み部分を指が入る大きさにデザインしました。
実際に自分が仕切り皿をつかっていて、裏側の部分にスポンジがはいりにくく洗いにくかった経験があるからです。
洗うのは毎日のことなので、少しの配慮で使う人が便利になるなら。と担当者さんを説得しました。
立ち上がりの角度は?角の丸みは?など、小さな配慮がたくさんあつまって、使いやすい商品なります。
気づきって、けっこう体験から来ます。
体験したことがないと、気づかないんです。

あと、子どもの「無垢な質問」って気づきの宝庫です。
あ… わかったふりしてる。ってことが山盛りです。
子どもといると、とても勉強になるよ。
楽しいよ♪
子どもがいるからこそ、できる、
クリエイティブな仕事ってあるとおもうよ。




と話しましたが…。伝わったかな。


よろしければサポートおねがいします。サポートいただいたらとっても嬉しいです!