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SDGs定点観測 目標4:教育

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今回は目標4:質の高い教育をみんなに、略して教育です。SDGs以前の教育問題の背景は新興国でも義務教育を受けられず、児童労働に従事する、もしくはそのまま大人になってしまって低賃金労働に従事せざるをえなくなるといった事態を減らすことを狙いとしていました。しかしSDGsでは先進国での問題も取り上げることとなり、その対象範囲が広がりました。

教育と聞くと義務教育や小学校から大学までの16年のことを思い浮かべる人が多いと思います。社会人になったら課程としての教育はなくなりますが、自主的に勉強していかなければとてもやっていけません。この観点から多くの企業は従業員に対する研修をこの目標と結び付けて情報開示をしていますが、ここではそれ以外の特徴的な取組を紹介します。

東洋水産は「マルちゃん」ブランドで有名な即席めん・加工食品製造の会社です。食品企業はよく児童に対する食の教育、略して食育を工場見学や出張授業で実施していることが多いのですが、同社はその内容に特徴があります。

グループ会社のシマヤでは味噌作りの体験学習を行っています。蒸した大豆をすり潰し桶に入れて仕込むところまでを児童とともに行い、熟成した味噌を後程児童に届けるというものです。工場見学や出張授業は普段の授業とは異なる内容に接することができるため、その直後はよく内容を覚えていますが、大人になっても覚えているかというと厳しいこともあります。同社は食育だけではなく味噌文化の次世代の継承も目的としていることもあり、このような体験学習が効果的と言えます。他にも出汁についての体験学習を行っており、地域のニーズに合う教育機会を提供している点でも注目されます。

ユニ・チャームは高齢者教育に熱心です。同社は乳幼児向けおむつや生理用品で有名ですが、高齢者用おむつやペット事業を拡大させています。高齢者用おむつと関連して尿漏れケア・排泄ケアセミナーを実施しています。尿漏れのメカニズムやそれを予防するトレーニングを行い、1人で抱え込みやすい問題への実践的な内容を伝えています。

また高齢者のQOL(生活の質、Quality Of Life)向上のためのペット事業を展開していますが、ペットの高齢化に伴う介護の問題にも取り組んでいます。人間同様ペットも高齢になると尿漏れするようになったり、寝たきりになってしまったりすることがあります。飼い主もペットも高齢の老老介護のような事案も増えているようです。このような高齢ペットの介護について主に動物病院スタッフ向けに啓発活動を行っています。


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