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澄んだ水の上に足を投げだす/湧水生かした独特の癒しスポット/島原市

「日本の城下町を愉しむ」一覧
  東日本編
(北海道・東北・関東甲信越)
  中日本編(北陸・東海・近畿)
  西日本編(中国・四国・九州)

★都道府県 長崎県
★城郭 島原城

 島原には熊本からフェリーで入った。出港まもなくは、まだ記憶に新しい大火砕流を起こした雲仙岳平成新山の荒々しさが目立つが、近づくにつれその手前、江戸時代に山体崩壊を起こした眉山(まゆやま)の傷跡の方が迫ってくる。
 山崩れによる生き埋めや、大量の土砂が一気に有明海に押し寄せて起きた津波などで、島原と熊本で15000人が犠牲になったという日本火山災害史上最悪の事件、いわゆる「島原大変肥後迷惑」の跡である。
 しかしこの災害の結果、島原には海に浮かぶ小島の群れ、九十九島(つくもじま)の景勝地と、もう一つ市街に湧き出る豊富な湧水、という恩恵も生まれた。市街地に飲める湧水や、あるいは飲める温泉があちこちにある。
 しかしこれだけでは水の豊富な日本のこと、ほかにも水の城下町と呼ばれるところは多いわけだが、島原が特徴的なのは、その水を思い切って屋敷に取り入れた点だ。
 中心街から少し離れた通りに「鯉の泳ぐ街」がある。湧水が流れる道路脇の水路を鯉が泳いでいる。最近有名になっているのは明治後期に作られた邸宅「四明荘」だ。ここでは1日3000トンという豊富な湧水を使った大きな池に縁側が張り出し、足の下を鯉が泳ぐ風景を作り出している。福井市の養浩

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