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「富士銀行創業の地」

大慈善事業家、安田善次郎飛躍の地

★ジャンル【企業】
★場所 中央区日本橋小舟町8-1 小舟町富士プラザ前
★最寄駅 東京メトロ三越前駅、東京メトロ・都営地下鉄人形町駅

これまでの23区発祥の地一覧

★碑文
「明治13年1月1日(1880年)合本安田銀行(現在の富士銀行)はこの地で開業いたしました」

★解説
 日本橋から人形町へ向かう通りの中ほどにみずほ銀行小舟町支店があり、支店の入るビル前の植え込みにあります。碑文の下描かれたレリーフは、開業当時の建物です。
 富士銀行は戦前は安田財閥の中核企業「安田銀行」でした。安田財閥は安田善次郎(やすだ ぜんじろう)が明治以降一代で築き上げた財閥です。
 1838年に富山藩士の子として生まれますが、父は武士の株を買った農民でした。幕末の1858年に江戸に出て奉公人になり、両替商などに勤めます。1864年にこの場所の少し北の乗物町(現日本橋堀留町1丁目)に露天の乾物商兼両替商・安田屋を開業します。そして2年後にこの場所に移って安田商店と称します。
 ですから善次郎が独立した時点ですでに両替商を営んでいますので、この時を富士銀行の創業としてもいいようにも思います。
 維新後は新政府に積極的に協力し、明治政府の財政が安定してくると大きな利益を得ました。その資金で1876年、この地に第三国立銀行を設立します。この「国立」は英語の「national」を国立と翻訳したためで、実際は国の法律に基づく「国法」銀行とでも訳すべき民間の銀行です。
 第三銀行は本来は大阪の資本家たちが免許を受けたものですが内紛で開業できず、善次郎らが免許を譲り受けたものです。したがって他の国立銀行より開業が遅くなっています。
 こうして経営を順調に発展させ、1880年に安田商店を安田銀行に改組しま

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