会津若松城

巨大な藩校が江戸時代のままに/建設費は商人がポンと出し/会津若松市

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★城郭 会津若松城(鶴ヶ城)

 日本では各藩の学校、いわゆる「藩校」が江戸時代後期に次々に設立され、幕末にはほとんどの藩に存在した。武士なら入学でき、しかも授業料は無料というから素晴らしい。ちなみに庶民の寺子屋や学者の私塾も学費は極めて安く、女性が学べないことを除けば、現代とどっちが恵まれているのかよくわからない。
 水戸の弘道館、長州の明倫館、薩摩の造士館などは有名で規模も大きく、教育熱心な藩と幕末に活躍した藩が重なっているのが面白い。弘道館や明倫館、松代の文武学校など当時の施設が一部残っているところも多いが、江戸時代に全国屈指の規模と内容を誇った会津藩校日新館は、なんと今もその全容を見学することができる。
 しかし江戸時代の日新館は戊辰の会津若松城攻防戦で焼けてしまったはず。それなのになぜ全容が見られるのか? 実はその寸分違わぬ復元施設が、市街地郊外に造られているのである。敷地面積は12万6000平方メートルと広大だ。その中に儒教の聖者、孔子をまつる大成殿や、勉学の場、武道場などが所狭しと建てられている。
 勉学では礼法や儒学を学ぶ場とは別に兵学を学ぶ建物があり、現代でも使う「図上演習」の駒、兵法算木などが残されているのが興味深い。武道では柔術や弓術、さらには砲術のための演習場や水練のための池、プールもあ

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