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網の目のような掘割の中の街/みんな懐かしい白秋の街/柳川市

★「日本の城下町を愉しむ」一覧
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★都道府県 福岡県
★城郭 柳川城

 街の中に掘割があるのではない、掘割に中に街がある。そう感じるぐらい、柳川市街には運河が多い。生まれ故郷である北原白秋(きたはら はくしゅう)が水郷と名づけた姿がいまだに残る。城下町で柳川の右に出る水路の街はない。
 5社ほどが、木造のどんこ船と呼ばれる船での川下り観光を行なっており、西鉄柳川駅から乗り場まで送迎もしてくれる。迷路のような水路を、船頭の竿一本でゆったり巡るのは実に清々しい。森のような場所、広々とした場所、住宅が連なる場所など景色もざまざまだ。
 ところどころにある水門と橋では、船の幅とほとんど変わらないような狭い場所もある。普通に座っていると頭をぶつけそうにもなる。船頭さんが「頭を下げて、下げて」と注意するが、最近は中国語や英語も混じる。
 ひな祭り前後の春先は、掘割の周りに名物の「さげもん」(下がり雛飾り)が並び、花々とともに実に華やかだ。秋の紅葉、冬のコタツ船も味がある。今や柳川観光に欠かせない目玉だが、昭和の一時期、多くの掘割が消えそうになった。
 戦後、水運の利用がなくなり、飲料水や生活用水としても不要になり、多くの掘割が放置された。市は城周りの堀を残して埋め立てて下水化すること

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