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「信託住宅発祥地」(東京初の郊外型分譲住宅地)

長谷川町子も住んだ郊外分譲地の先駆

★ジャンル【産業】 
★場所 世田谷区桜新町1-30-14
★最寄駅 東急田園都市線桜新町駅

★碑文
特になし

★解説
 桜新町駅を出てサザエさん通りを南下し、長谷川町子美術館すぐ手前の桜新町区民集会所垣根の前にあります。小さな石標ですのでお見逃しなく。
 石標にはタイトルの通り書かれているのですが、「信託住宅」などというものはないと思います。あるのは「信託銀行」や「信託会社」であり、好意的に言葉を補うなら、「信託会社によって開発された住宅地」ということでしょうか。
 サザエさん原作者の長谷川町子(はせがわ まちこ)も住んでいた新町住宅地は、1903年に創業した日本初の信託会社「東京信託」(現・日本不動産)が、1913年から分譲を開始しました。当時はまだ信託業法はありませんでしたが、欧米などの視察をした三井銀行の岩崎一が創業しました。土地や財産を持ち主に変わって運用する仕事でした。
 ちなみに信託法の成立は1921年、信託業法の成立は1922年です。信託業法に基づく信託会社としての第一号は現在の三井住友信託銀行で、創業は1924年です。
 東京信託の業務は不動産の運用が仕事の中心でしたが、すでにある土地ではなく、一歩進めて資金を集めて土地を買収し、さらに開発して売り利益を得るというデベロッパーの手法を初めてこの新町住宅地で取り入れて成功しました。
 新町住宅地は開発総面積が23万平方メートルと広大で、元は原野や雑木林でした。東京の拡大と交通の発達を見込み、富裕層向けに大規模な宅地を提供しまし

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