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漱石気分で豪邸を眺めるカフェ

★☆★☆★☆至福の城下町カフェ vol.6
松山 「漱石珈琲店 愛松亭」

歩き疲れた脚を休ませ、様々な刺激で火照った頭を冷ます至福のひととき。城下町巡りで出会った素敵なカフェを紹介するコラムです。

 松山は近年観光で盛り上がっています。有名な道後温泉周辺が美しく整備され、「坂の上の雲」などの人気で、街にも活気があります。
 松山城に行くついでに、できてまもない「坂の上の雲ミュージアム」を訪れた時のことです。この場所がまたわかりにくい。普通博物館と言うと広々とした敷地に建物がどーんとある感じですが、県庁近くとはいえ、何やら狭い路地の奥、ビルの影に窮屈そうに建っています。安藤忠雄設計のユニークな建物だけに目立たないのがもったいないくらい。
 さて見学が終わって窓から眺めると、何やら洋風の館が見えます。
 調べてみると、松山のお殿様、久松家が当時の皇太子(のちの昭和天皇)来県に合わせて造らせた別邸の萬翠荘でした。

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 これ見学してみようと行ってみると、ミュージアムのすぐ裏側の敷地です。華族らしい門構えから入り、曲がりくねった坂道を登っていくと萬翠荘の敷地なのですが、道の角に「漱石先生最初の下宿先」と看板が立っています。

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 「夏目漱石の下宿先?」と見ると看板の後ろに大きな石碑があり、どうやら手紙のようです。脇に解説版があり、文面はともかく、差出人のところに「愛媛県松山市一番町愛松亭にて 夏目金之助」と書かれていることがわかります。

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 さらに右横に「愛松亭跡」という巨大な石碑があり、これらの後ろに小さな建物が見えます。和風のこぢんまりした建物にややそぐわない赤々としたネオンサインは「漱石珈琲店」と読めます。
 どうやら漱石と関わりのあるカフェのよう! これは行かずばなりません!
 ぐるっと回って店の入り口をのぞむと、実に大きな伊予青石らしき石畳の奥に「愛松亭」のこれまた赤々としたネオンが見えます。建物は木造の平家で、小屋といってもいいくらいのこぢんまりした店です。
 裏は松山城に続く斜面で、その中腹あたりに木々や竹林に囲まれていま

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