人生は私のものだから〜本のひととき〜
「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都
夏休みに書店で見かけるフェアの冊子に紹介されていて、独特なタイトルが心に残っていた。あれから何年越しかで手に取ることに。
ヒロイン・明日羽のどん底状態から物語が始まる。希望もやる気もそがれた彼女に、叔母がある提案をするのだ。
それは「ドリフターズ・リスト」。
私も初耳であり、思い浮かんだのはテレビでおなじみの5人組グループの姿だった。
ドリフターズとは「漂流者」のこと。
漂流する者たちの指針になるのがドリフターズ・リストだという。
漠然と流されるのではなく、海へ出るからには行先を決めなければならない。
体力を温存して、無事に目的地に辿り着くためのリストだ。
「〜したい」単なる希望では終わらせず、
「〜する」と実行断定。
文字を手書きすることで自分の心に刻みつける。
リストどころじゃなかった明日羽が、ゆっくりペンを進めていく。自分と向き合いながら、少しずつ。
人生の中で、自分のことだけをじっくり考えられる時間って意外と少ない。
人生は私のものだ。
どう生きるかは自分次第で変わる。変えられる。
「心の向きを確認して進もう」
いや、…「進む」!
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