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甘くて苦くて、ホントはしまっておいた方がいいかもしれない〜本のひととき〜

「初恋 アンソロジー」アミの会(仮)

図書館の文庫の棚で見つけた一冊。

初恋。

何だか甘酸っぱい響きが気になって。

アミの会(仮)というのは実力派女性作家の集まりだそう。本書の執筆陣がそれに当たるのだろうか。

大崎梢・篠田真由美・柴田よしき・永島恵美・新津きよみ・福田和代・松村比呂美・光原百合・矢崎存美

読んだことのある作家と、そうでないのが半々くらい。何だかミステリー風の印象だった。

9人が描く「初恋」の物語が収められている。

「初恋は実らない」 という話をよく聞くが、

それはどういう理屈なのだろうか。

自身を思い返しても、いつが初恋に該当するかはよく分からない。

「好き」を何となく自覚した幼少期か、それとも本気で誰かに恋い焦がれた青春時代か。

どちらにしても叶わない恋だったので思い出すと胸の奥が痛む。苦い。


このアンソロジーはバラエティに富んでいて、恋愛色の濃いめの作品もあれば、「これが初恋?」と意表をつく作品もあった。

それだけ初恋のイメージに個人差があるということか。

笑えないエピソードではなくて、できれば微笑ましいラストシーンで締めくくって欲しいと思うのはワガママかもしれない。

アンソロジーの良さは、他の作品も読んでみたいと思える新しい作家との出会いがあることだと思う。

初めての出会い。

それも初恋のひとつ。






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