きっとぴったりくるものが〜本のひととき〜
「翻訳できない世界のことば」
エラ・フランシス・サンダース/前田まゆみ訳
分からないことばに出逢ったら意味を知りたいと思う。そばにある辞書のページをめくるだろう。
日本語であれば国語辞典で対応できる。
先日は英語だったものだから久々に英和辞典を引っ張り出した。
でもそれが知らない国のことばだったら?
(…スペイン語辞典なら本棚のどこかにあるかもしれない。)
翻訳できない。
その意味は「1つのことばに対応していない」ということらしい。
つまり1語=1語ではないこと。
red=赤ではおさまらない。
他の国のことばでは、そのニュアンスをうまく表現できない。
小さな頃、まだ私にはことばも表現力も足りなくて。
気持ちが伝わらないことに癇癪を起こしてよく泣いた。
機嫌が悪いであろうことは伝わったと思うけど、私の本当の気持ちは伝わっていなかったと思うのだ。
ことばは全てではない。
でも伝えるために、ことばは大事。
そうだ、大切なことばだ。
母国語である日本語の知識もまだまだ足りないと思うのに、本書には聞いたこともない知らないことばが登場する。
読み方さえ首をひねるような。
一体どんな響きなんだろう。
印象に残ったものをいくつか紹介します。
(以下、引用です)
fika/フィーカ (スウェーデン語) 日々の仕事の手を休め、おしゃべりをしたり休憩したりするために集うこと。いずれでもコーヒーを飲んだり、お菓子を食べたりして数時間。
好きです、こういう時間。
今は難しいけれど、気のおけない人たちで集まって、美味しいコーヒーとかお菓子をつまみながら話をしたいなと思う。
commuovere/コンムオーベレ(イタリア語) 涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなる
本でもドラマでも映画でも。もちろんnoteの出会いでも。こんな経験は何度もしたい。いつも心を動かしていたい!
gezellig/ヘゼリヒ (オランダ語)単に居心地いいだけでなくて、ポジティブであたたかい感情。「心」が快い感覚
いい気持ちはあたたかいと思っている。周りからゆっくりとほぐれるような。その温度は広がって伝わっていく。
vacilando/ヴァジランド (スペイン語)どこへ行くかよりも、どんな経験をするかということを重視した旅をする
結果や目的を重視しがちな忙しい現代に生きる私たち。ぎゅっとまとめればスタートとゴールになってしまうけど、その間には道のりが存在する。どうやって辿り着いたのか、も大切にしたい。
こつこつと積み重ねた経験は道のりに点在している。線は、点と点をつなげて出来上がる。ゴールで振り向いた時に何が残るのか。
人生は旅。
まだ旅の途中。
日々の「いろいろ」 はみんな経験のひとつ!