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たまに読みたくなる本|読んだ本

特にきっかけはないのですが、たまに無性に読みたくなる本があります。今回紹介する、内田樹先生の『疲れすぎて眠れぬ夜のために』がまさにそれです。最初に読んだのは10年ほど前、2回目は5年前ぐらいだったと思います。

この本が読みたくなるのは、実は内田先生が書かれた「ある一文」を読みたくなるから、なのでして。その「一文」、はっきりとは覚えていないのですが、世の中は75%の発散する人と、25%の片付ける人とで成り立っている……みたいな内容だったと思います。

これまでの仕事で、わーっと作られたものをもくもくと整理・統合し、すっきりまとめることしかしてこなかった(というか、片付け終わったから本腰入れて仕事するぞ! と思ったら異動を命ぜられてしまう……)ので、たぶん25%のほうに割り当てられてるんだろうと思っています。

でも、読み始めると一文を探すことがすみっこに追いやられて、内容にぐいぐい引きこまれてしまうのです。特に今回は、10年以上前に書かれたものなのに、「家族が解体して、血縁関係のないコミュニティが形成されると思う」というのが出てきてびっくりしました。そのほかにも、それなりの地位にある人が不正に手を染めてしまう背景にあるものや、自分らしくふるまうことのリスクなど、何度もうなずいてしまう言葉が綴られています。

ここ最近、今の会社にずっといるのがイヤならどうするんだ問題を抱えていて、社会における自分の役割を再確認したくなっているから、この本を読み返したくなったんだと思います。原点に立ち返る本、というと大げさかもしれませんが、私にとってはそんな位置づけの本です。

ちなみに、前に再読したときもそうだったと思うのですが、この本にわたしが探し求めていた一文はなかったんです。なので、この後に続けて再読する本というのもありまして、それが『ひとりでは生きられないのも芸のうち』です。

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おそらく、この本に探し求めていた一文があるのだと思います。なんでこんなに自信なさげに言うかというと、記憶とはちょっと違う表現だからなんです。

当時は読書メモなんてつけていなかったからなぁ。失敗したなぁ。