いつ死が訪れるか分からない以上、地上には無念の墓標が乱立している。いや、瞬く間に訪れた召命に、自分の死を自覚できない者も多かっただろう。いかに悔しかろうが、あるがままの宇宙は全てを呑み込みうねるだけだ。自我が霧散して分別もできなくなれば、無念も散じるのがせめてもの救いだろうか。

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