【詩】邪で眠れない
善き心を定められた人もいれば
邪な心を宿される人もいる。
だがそれは大した問題ではない。
どんな人でも御心を果たすことができる。
そもそも人の本性には、怠惰で卑しい傾向がある。
邪と言えなくても、神に胸を張って「わが心ご照覧あれ」と言える人などそうはいない。
たとえ、どのような精神であろうとも
善き仕事を成すことはできるのだ。
自身の心を省みて、劣情にまみれていることに気づいても
絶望することはない。
それは、誰でも多かれ少なかれ備えているものであり
それに向き合えただけでも、そこには導きがある。
救われないと自ら望みを絶ってはいけない。
いたずらに自省にふけらないように。
卑しき心を抱きつつ、
善き仕事ができるように、今この時を大切に生きたい。
己を省りみるのは、神とともに
眠れぬ夜に。