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国語の正しい「読み・解きのフォーム」を作る方法

国語の読解問題の正しい勉強法について書いてみます。国語の読解問題は、毎回のテストで偏差値が上がったり下がったりと安定しない、、というお悩みを抱えている家庭も多いと思います。

そもそも、何をすればいいのかがよくわからない。

そこで、僕が考える「読み・解きのフォーム」を作るために重要な取り組みを3点ご紹介します。次のとおりです。


1.まず、授業に集中する

読解問題は論理的思考力を問うています。
なによりも授業中に集中して頭を働かせていることが大切。
そのために体調・睡眠の状態を良好に保ちましょう。

2.テストの間違い直しを必ずやる

どこがなぜ間違っていたのかをじっくり検証します。問題と問題のつながりなどを発見してみるのも次に繋がりますし、話題をストックしておくことも重要です。

基準は、「自分が納得したかどうか」。どんなに美しい解説を聞いても、ご本人が納得して次に繋げられることが何より大切です。その納得は最初は理解が不十分かもしれません。しかし、毎回納得を重ねていけば、正しいやり方を続けていくうちに、徐々に正しい方向に向かっていくことができます。

それができるのは、継続して何度も振り返ってこそです。

そうして、「読み・解きのフォーム」を少しずつ修正し、より上手に出題者の球をうまく打ち返せるようにしていく、というイメージです。

時間がない場合、正答率が10%とか20%とか、あまりに低いものは飛ばしてもかまいません。正答率が高いもので間違えた問題は復習の価値が高いでしょう。

3.読解問題でやるべき「作業」を言語化して共有する

ここが一番ポイントとなるところです。

毎回初見の文章を読まされ、どうしていいかわからない、統一したやり方がない、、というのが、国語の読解問題のよくある漠然とした不安です。

ただ何度か読み解いていくと、文章は違うけれど「毎回同じプロセスをたどって正解にたどり着く」ということが分かってくるはずです。

たとえば傍線部に指示語があったらそれをまずはっきりさせる、とか、比喩表現があったら言いかえて記述する、とかですね。

この「同じことをやっているんだ」という感覚が重要です。

さらにこれを「感覚」ではなく「言語化」することで、お子さんと保護者・指導者とのコミュニケーションもより意味のあるものになると思います。

例えば、物語文であれば読むときに、「初出の登場人物にマルをする」というのをよくやります。これを決めて、いつもやっていたとします。ただ、たとえば2023年の合不合テスト第2回の物語文では、リード文にたくさんの人名(なんと10人)が出てきました。そこでは人物にマルをするのをやめてしまった、というケースがありました。

そこで、「あ、初めて出てきた人物にマルしてないね」という確認をする。実際に10人にマルをしても、そこから読み進めていけば、物語の展開にとって重要となる人物は3人に絞られたりするわけです。読み進めて人物関係を整理していくときに、初出の部分にマルを付けておくと「ああ、この子は小学◯年生の女の子で、あの子より年下なんだな」といったことをすぐに確認できます。

線引きについても同じです。どういうところに線を引くのかということをまずご本人が決めておく。それをできれば大人も共有する。それがうまくできていないときに、何が問題だったのか。語彙で分からないものがあったのか、哲学的な内容に慣れていなかったのか、などなど、検証していくことができます。

問題の解き方でも同じです。選択問題の選択肢をパーツに分けて真偽を判断しないと細かい間違いは見つかりません。だから、部分に分けて◯△×をつけます。そうすれば、あとでどこまで理解できていて、どこに気づけなかったかがわかります(すべてにきれいにつけなくても良いです)。もしそれがついていなくて間違えた場合、

「マーキングをしてなかったね。なぜ?」
「時間がなかった・・この前の抜き出し問題に時間をかけすぎた」
「そうか・・正答率も15%だったし、時間をかけすぎないのが正解だったかもね。2分考えて分からなかったら飛ばそうか」

というようなやりとりがあれば、次のテストでは抜き出し問題への対応が適切になっていく可能性があります(何度も同じ間違いをしてしまうこともあるのが難しいのですが)。

3.について

家庭教師であればこれらの決め事をこまごまと共有して会話することできるかもしれません。ただ、親子の間でどこまでそれができるかは、お子さんのタイプや親子の関係性にもよるし、どう言語化すべきかわからないというのもあるでしょうし、個別に事情が異なる部分もあると思います。

そこで少しでもお子さんの読解問題の学習を意味あるものにするために、「親が生徒役になっていくつか質問する」という方法が考えられると思います。

あまり難しいことを質問してもいけませんが、

「アは、どうしてバツなの?」
「この傍線部の記述問題△だけど、あと何が書いてあればよかった?(模範解答例をサッと取り出す)」

と1つ、2つ質問してみて、「教えてもらう」ことができれば良いかなと思います。教えるのではなく、教えてもらうという姿勢で尋ねれば、親子の関係であっても素直に考えて教えてくれる、ということもあるかもしれません。一から十まで問いただすことはできないと思いますが、いくつかの質問を通じて「どれだけ考えているかどうか」を継続して測ることはできると思います。

今は十分ではなくても、継続して確認して、前より出来ているところ、すべきことが継続できているかどうか、を地道に確認していきましょう。

最後にまとめると、
1.まず、授業に集中する
2.テストの間違い直しを必ずやる
3.読解問題でやるべき「作業」を言語化して共有する

(全ての言語化は難しいので、親が生徒役になって説明を促し、理解度をはかる)

ということを続けていけば、腰を据えて国語に取り組み続けることができるかなと思います。

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