見出し画像

【視察ツアーNo.2】株式会社あわえ(徳島県美波町)

サテライトオフィスの誘致で全国の自治体から仕事を受けている株式会社あわえに訪問した際の記事です!

「自分たちの取り組みを他の地域にも広めたい」「他の地域の事例を取り入れたい」という人に特におすすめです。


目次

・美波町の基本情報
・株式会社あわえについて
・視察報告
・個人的な考察
・まとめ


◇美波町の基本情報

徳島県の南部に位置する人口約7000人の漁業で栄えたまち。室戸阿南海岸国定公園の海岸にアオウミガメが産卵に訪れる事でも有名。

(*赤色の部分が美波町)



◇株式会社あわえについて

「日本の地方を元気にする」をミッションに掲げ、自らが地域でのプレイヤーとなって、日本に残る魅力の発信・継承と課題解決に取り組んでいます。


活動内容
・サテライトオフィス誘致サービス
・被雇用者の確保/育成
・企業/行政の広報支援
・地域文化資産保護/復興事業
・行政職員向け勉強会


設立背景
もともと東京のIT 企業の社長であったあわえの社長が地方採用をするために訪れたのがきっかけ。地域住民から様々な要望を受け、地域課題を解決するために株式会社あわえを設立。



◇視察報告

2018年9月14日に徳島県美波町にある株式会社あわえに企業訪問してきました。

実は大阪大学のとある講義と連携して地域活性をしていた経緯があり今回の訪問が実現しました。

もともと銭湯だった建物をリノベーションしたものをオフィスとして使っていました。内部のいたるところに当時の面影が残っていました。


今回はUターンでこの会社に入社された方にお話を伺いました。
(丁寧な説明ありがとうございました。)

説明の中で特に「サテライトオフィス誘致」について詳しく説明していただいたのでそのことを中心に書きたいと思います。


そもそもサテライトオフィスって何?という人もいるかもしれないので簡単に説明を載せておきますね。


サテライトオフィスとは・・・

企業本社や、官公庁・団体の本庁舎・本部から離れた所に設置されたオフィスのこと。本拠を中心としてみた時に、惑星を周回する衛星(サテライト)のように存在するオフィスとの意から命名された。場所にとらわれない働き方のできるIT系の企業での導入が多い。


従来のものとは違うモデルケースを作ることを目的とした誘致


一般的な企業誘致の場合
企業へのメリット:最初の数年補助金が支給される

この場合だと補助金が切れたタイミングでメリットがなくなるので企業が撤退してしまう事例もあるそうです。


あわえの場合
企業へのメリット:地域課題の解決がビジネスになる
         美波町で成功できれば他のどの地域でもできる

一般的な場合と違うのは地域課題を解決することがビジネスになるという見せ方をしているということです。


この場合だと補助金のように途中で途切れることもないし、そもそも企業は稼がないといけないので「ビジネスチャンスとしての地方」を示すことが効果的なのだそうです。
(地域課題をきちんと明確化/視覚化することが必要になります。)


「美波町では〇〇という課題があります。なのであなたの会社の△△の技術を使ってこれを解決してみませんか?この人口が少なく課題にあふれた美波町で成功できれば他のどの地域でもうまくいくと思いますよ。」 


おそらくこんな感じの話がなされているのではないかと思います。


また美波町では様々な取り組みの実験場として活用してもらいたいという町の方針があります。小さな町なのでここだけで売上をあげることは難しい。
だからこそこの町でモデルを作り全国に広げてもらいたいそうです。


あわえでも事業モデルのことを"処方箋"と呼んでいて

"地方を元気にする処方箋"を、必要として下さる全ての地域へ。

という風に様々な活動に取り組んでいるそうです。




◇個人的な考察

Q.単なる事例で終わらず、他の地域に広めるにはどうしたらいいのか?


地方創生という言葉の普及によって地域に関わる人も増え、良い事例というものも現れ始めています。


ただ問題なのは事例が事例で終わっていること


その理由を今回は考察したいと思います。


1つ目はそもそも展開することを前提で取り組んでいる人が少ないということだと思います。当たり前の事かもしれませんが取り組みには展開できるものとそうではないものがあります。


例えばゆるキャラなどは展開可能なものですが、京都の街並みを使ったイベントなどはおそらく展開できません。


「他の地域と差別化しよう」「この町ならではの取り組みをやろう」


こういった地域活性において正解とされる考え方がそもそも展開できない理由になっているのかもしれません。


もちろん差別化することは必要だと思います。差別化自体を否定するわけではありません。


ただ"何で差別化するのか"をもっと考えるべきなのかもしれません。


(再現性と差別化の共存についてはまた改めて書くことにします。)



2つ目は真似する側が真似したつもりになっていることだと思います。



表面的な部分だけ真似をして「なぜこの企画をしたのか」「費用はどのくらいかかったのか」「どれくらいの効果があったのか」など大切な部分を知らないままのケースが多いように感じます。

(いわゆる氷山の一角しか見ていないってやつです。)


展開する側も真似したい側も双方が気をつける必要があるのではないでしょうか。



考察は一旦この辺りにしておきます。



最後まで読んでいただきありがとうございました!


p.s.
関西で地域活性に取り組んでいる学生向けのイベントを10/21(日)に行います!

視察の学びを共有する時間も取る予定です。
予定が空いている方は参加お待ちしています!

詳細はこちら↓

◇まとめ

・美波町は様々な取り組みの実験場として町を捉えている
地域課題を解決することがビジネスになる
・展開したい場合は展開する前提で取り組む
・事例を真似する側は表面だけでなく全体像を知るべき


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?