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AIは教員の代わりになれるか? ChatGPTに聞いてみた

はじめに

 「プリンタニア・ニッポン」というマンガを最近読んでます。昨年の12月に三巻が出たばかり。どことなく不思議な世界が舞台なのですが、そこに出てくる「コンサル」というAIが好きで、ChatGPTが出てきた時に、「コンサル」来た!と思いました。

 とはいえ、AIが進化すると、私のような学校の先生はどうなってしまうのだろうかと最近考えます。メタバース上で学校がつくられ、AIの先生が爆誕したらどうなるのだろうかと。常に莫大なデータを処理し、個々にあった最適解を用意してくるイメージのAI。教員になったら、究極の個別最適化教育がなされるのかなとおもって。
 そこで、最近、現在話題となっているAIに、ChatGPTにいろいろ質問をしてみました。今回の記事では、その質問と回答をご紹介します。得意な質問と不得意な質問があることがわかりました。

ChatGPTに質問してみた

Q 現在高1です。将来大学進学予定ですが、まだ志望校は決まってません。どのような方法や基準で考えれば良いか教えてください。

A AIの回答

大学進学を考える際には、以下のような方法や基準を参考にすることができます。

1.興味や関心がある分野を中心に考える
 自分が興味や関心を持っている分野があれば、それを中心に大学を選ぶことができます。例えば、理系分野に興味がある場合は、理系の大学を選ぶことができます。

2.将来の進路や就職先を考える
 将来の進路や就職先が決まっている場合は、その進路や就職先に適した大学を選ぶことができます。例えば、医師を目指す場合は、医学部のある大学を選ぶことができます。

3.大学の特徴やカリキュラムを比較する
 大学の特徴やカリキュラムを比較することで、自分に合った大学を選ぶことができます。例えば、大学の研究室が充実している場合は、研究に力を入れたい人に適した大学と言えます。

4.入学難易度や学費を考慮する
 入学難易度や学費も大切な要素の一つです。入学難易度が高い大学は、学力が高いことが求められますが、その分進路や就職先の選択肢が広がる可能性があります。また、学費も重要な要素であり、自分や家族の経済状況に応じて選ぶことができます。

 これらの方法や基準を参考にして、自分に合った大学を選ぶことが大切です。また、進路相談や大学見学なども活用すると、より具体的なイメージを持つことができます。

 このような一般的な質問についてはオーソドックスな総括的な回答を返ってきます。ネットで調べたり、受験情報誌を見れば、もっと詳しく知ることができますが、質問を投げかければ簡単にこういう回答が返ってくるのは便利ですよね。
 生徒や保護者だけでなく、教員がこの回答から文章を作るなど、仕事をするうえで参考にする場合もありそうです。しかし、AIが答えられる情報を教員が提供することに何か価値があるのかなとも考えてしまいます。

他にも次のような質問をしてみました。これもよくある質問ではないかと思います。

Q 現在私は高校2年生です。学校で先生から文系と理系の選択をするように言われました。どのように決めればよろしいでしょうか。判断基準を教えてください。


A AIの回答

 文系と理系のどちらを選択するかは、あなたの興味や将来の進路に関わってきます。以下は、判断基準として考えてみるべきポイントです。

1 興味関心 
 文系は、言語や人文科学、社会科学などの分野に特化しています。逆に、理系は数学や自然科学などの分野に特化しています。どちらかに興味関心があるかを考えてみましょう。例えば、歴史や言語に興味がある場合は文系が向いているかもしれません。一方、数学や物理学に興味がある場合は理系が向いているかもしれません。

2 将来の進路
 文系と理系では、進路に関わってくる分野が異なります。例えば、文系の進路には法律や経済、教育などがあります。一方、理系の進路には、工学や医学、理学などがあります。将来どのような職業に就きたいかを考えることも大切です。

3 学力
 文系と理系は、学ぶ内容や必要なスキルが異なります。例えば、文系は記述力や表現力が求められますが、理系は数学的思考力や論理的思考力が求められます。自分自身の得意不得意を把握し、どちらの分野に向いているかを考えてみましょう。

以上のポイントを踏まえて、自分が興味を持ち、将来の進路につながり、自分の学力に合っていると感じる分野を選択するとよいでしょう。ただし、高校2年生の段階で将来の進路が決まっているわけではありませんので、選択に迷った場合は、できるだけ多くの情報を収集して、慎重に考えることをお勧めします。

次に個別のケースについての質問を投げかけてみます。よくある質問として次の質問をAIに聞いてみました。

Q 現在私は高校3年生です。大学受験を控えていて、志望校をめぐって両親と口論をしてしまいました。私は文学部を志望しているのですが、両親は将来性から資格がとれ就職に有利な学部を勧めてきます。どのようにすればよろしいでしょうか

大学受験で志望校を決めることは非常に重要ですが、将来の進路に関する選択肢を広げることも同様に重要です。そこで、以下のようなポイントを考慮して、両親と話し合ってみることをお勧めします。

1 自分の興味と将来の進路について考える
 まず、自分が興味を持っている分野や、将来の進路について再確認してみましょう。文学部に進学することが自分の将来につながるか、また、どのような進路につながるのかを考えてみてください。

2 資格取得や就職について調べる
 両親が勧める学部について、その学部で得られる資格や就職の可能性について調べてみましょう。どのような資格が必要で、どのような職業に就くことができるのか、また、将来性や市場需要についても調べてみるとよいでしょう。

3 両親の意見を聞く
 両親が勧める学部について、どのような理由でその学部を勧めてくれているのかを聞いてみましょう。彼らが考える将来の展望や、自分が見落としている情報があるかもしれません。

4 調和の取れた意見を出し合う
 自分の将来の展望や、両親が勧める学部で得られる資格や就職の可能性について話し合い、調和の取れた意見を出し合いましょう。例えば、文学部に進学することで得られるスキルや将来性を示し、同時に、将来の就職についても考え、どのように資格を取得するか、どのように就職するかについても具体的に話し合ってみるとよいでしょう。

 以上のポイントを踏まえて、自分の将来について考え、両親と話し合い、共通の意見を出し合うことが大切です。また、志望校についても、自分が興味を持ち、将来の進路につながる学部を選択することが重要です。

 個別のケースについての質問についてもどちらかというと一般論的な回答となってしまいます。もっと設定を作り込めばどうなるのかまでは今回は試していませんが、個々に寄り添った回答の領域には達してはいないので、この部分は人間にまだ分があるのかもしれません。とはいえ、人間の場合、逆に視野が狭くなってしまうかもしれないので、こうしたAIの回答を参考にするのも一つアリかもとは思いました。

 一方でChatGPTが苦手なタイプの質問もあったので、ご紹介します。

Q 日本の国公立大学の受験方式について教えてください。

A AIの回答

日本の国公立大学の受験方式について説明します。
大学入試は、一般的には高校卒業後の年度末から翌年度にかけて実施されます。国公立大学の入試には、大きく分けて2つの方式があります。
1 共通入試方式
 共通入試方式は、全国的に実施される大学入試センター試験の成績を基に、大学ごとに設定された合否基準によって合格者を決定する方式です。大学ごとに、センター試験の科目や倍率、またはセンター試験の成績以外に評価する科目を設定しています。
2 独自入試方式
 独自入試方式は、各大学が独自に実施する入試方式で、学校別の試験内容や出題範囲、倍率などが異なります。試験内容としては、一般教養や適性検査、面接などがあります。また、一部の大学では、AO入試方式を採用しています。AO入試方式は、独自の選抜方法であり、高校在学中に学校生活や社会活動などで積極的に取り組んだ実績を重視する傾向があります。
国公立大学の入試は非常に競争率が高く、志望する学部によっては非常に厳しい試験が用意されています。試験に合格した場合は、入学に必要な手続きがあります。

 このように最新のデータに基づいたアドバイスを期待する場合、更新されていないと、古い情報に基づいた説明となってしまい、必ずしも適切でない場合があります。

Q 大学入試に向けて、受験勉強を始めるにあたり、世界史のおすすめの参考書や問題集を教えてください。

A AIの回答

大学入試の世界史の勉強におすすめの参考書や問題集をいくつかご紹介します。

1 東進ブックス『世界史 トピック別問題集』
 トピック別に分かれた問題集で、解答と解説が詳しく書かれています。過去問に加えて、分野ごとの基本的な知識も網羅しています。

2 数研出版『新版 世界史B』
 大学入試の世界史Bに必要な知識を網羅した教科書で、問題集としても使えます。最新の大学入試に合わせた内容となっており、解説も詳細で分かりやすいです。

3 ベネッセ教育総合研究所『大学入試センター試験過去問題集 世界史B』  過去問題集で、センター試験に出題された問題が年度別に収録されています。解答と解説も詳しく書かれており、センター試験に合わせた勉強ができます。

4 河合塾『世界史基礎講座』 世界史の基本的な知識を網羅した講座で、  
 テキストと問題集がセットになっています。講座の内容がわかりやすく、基礎を固めるのに適しています。

 以上の参考書や問題集は、それぞれ特色があるため、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。また、過去問を中心に解いて、問題の傾向や出題範囲を確認することも大切です。

 この回答のように、具体的な質問をすると、世の中に存在しないけどありそうな参考書を合成して回答してしまう場合があります。他にも具体的な大学を挙げて、対策方法を聞いた質問について、架空の問題を例示に使ってきたりしていました。
 おすすめの料理を質問したら普通に実在のメニューを答えてきたので(中央アジア料理であっても)、単純にデータ不足の可能性がありますが、現時点では、回答内容のファクトチェックが必要な段階だとわかります。
 したがって、ChatGPTは具体例を挙げる事を求める質問や最新のデータに基づく質問に現時点は弱いと言えます。とはいえいずれすぐに克服されてしまいそうですが……

おわりに

 いろいろ質問してみるとまだまだプリンタニアの世界のコンサルのような、個別最適化した回答には達していないことがわかります。とはいえ、AIの学習スピードは速いので、あっという間に成長して、これらの問題をクリアーしてしまうかもしれません。
 これらの問題をクリアーして、ChatGPTのようなAIにすぐ質問ができる環境が整った学校が将来出てきた時に、私たち教員はどのように関わっていけばよいのでしょうか。
 結論としてはAIの成長を過度に警戒したり、悲観する必要はないと思います。AIは今後飛躍的に成長しますが、得意分野と苦手分野があるはずです。そうしたAIの特性を理解して、適切に関わり、活用することで、教育活動の新たな可能性が切り拓かれるのではないでしょうか。AIのパートナーと連携しながら授業したり、HRを行う未来も楽しそうだなと思うのは私だけでしょうか。
 最後に、2つの質問とその回答をご紹介して終わりとします。AIに質問した内容と回答はどこかでオープンソース化して、誰もが検証・チェックできるようにすることが必要ではないかと思います。

Q 日本において高校教員という仕事は、21世紀後半以降も残り続けるでしょうか

A AIの回答

 高校教員という仕事が21世紀後半以降も残り続けるかどうかについては、現時点では断定的なことは言えません。ただし、教育は人々の成長や社会の発展に不可欠な役割を果たしており、高校教員はその中心的な役割を担っていることから、教員の需要自体はある程度維持されると考えられます。
 ただし、近年の情勢や技術の進歩によって、教育の在り方や教育現場の環境も大きく変化しています。例えば、オンライン教育やAIを活用した学習支援システムの導入など、新しい教育技術や方法が次々と登場しています。このような変化に対応するためには、教員自身も常に新しい知識やスキルを習得し、自己啓発に努める必要があるでしょう。
 また、将来的には人工知能やロボット技術が発展し、教育の分野でもその導入が進む可能性があります。その場合には、教員の役割や仕事内容が変化する可能性があるかもしれません。ただし、教育は人と人との対話やコミュニケーションに基づくものであり、人間的な要素が重要な役割を果たすことから、完全に教員の仕事が自動化されるということは考えにくいと言われています。

Q ChatGPTを学校現場で生かしていくためにはどのような方法が考えられるでしょうか

A AIの回答

ChatGPTは、自然言語での問い合わせや応答を提供するAIの一つであり、学校現場でも活用が期待されています。以下に、ChatGPTを学校現場で生かしていくためのいくつかの方法をいくつか挙げてみます。

1 教師の補助として利用する 
 ChatGPTは、様々な分野についての知識を持っています。教師が授業で生徒に説明する際に、ChatGPTを使って知識を確認することで、教師の補助として利用することができます。また、生徒が疑問や質問を持った場合に、ChatGPTを使って回答を提供することもできます。

2 自習支援として利用する
 生徒が自習をする際に、ChatGPTを使って疑問や質問に答えを探すことができます。これにより、生徒が自主的に学びを深めることができます。

3 学習コンテンツとして利用する 
 ChatGPTを使って、学習コンテンツを作成することもできます。例えば、ChatGPTを使って自動生成されたクイズや問題集を作成することで、生徒が自主的に学びを深めることができます。

4 英語学習に利用する 
 ChatGPTは、自然な英語での応答を提供することができます。これを活用して、英語学習に役立てることもできます。例えば、英語の発音や文法についてChatGPTに質問をすることで、生徒が英語の理解を深めることができます。これらの方法を活用することで、ChatGPTを学校現場で生かしていくことができます。ただし、ChatGPTを使うことで生徒が自主的に学びを深めることができる反面、教師の役割が軽減されることにもつながり得るため、教育の質を保つためには、適切なバランスが求められると言えます。

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